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最もモテる男性体型が判明!BMI・体脂肪・肩幅の黄金バランスとは?

 
 

「男は細マッチョがいい!」「いや、筋肉ムキムキこそ最強!」みたいな論争があったりしますが、そこで「魅力がある男性の体形とは?」を調べた国際的な研究(R)が出ておりました。“モテ体型”ってのは世界的に共通するのか?って問題ですな。

 

この文献は理論パートと実験パートに分かれていて、まず研究チームは「体脂肪(BMI)」が死亡率と出生率(≒子どもを持つ確率)にどう影響するかを数式でモデル化し、

 

  • 最も生存率と繁殖率が高くなる=進化的にベストなBMI

 

を弾き出したんですよ。その結果がどうだったかと言いますと、

 

  • 最も進化的に有利な男性のBMIは23〜27!

 

でした。生き残るにも子孫を残すにも、このくらいの体形がベストってことですな。これは「標準体重の上限〜軽度の“ぽっちゃり”」に該当するレベルで、「痩せすぎてないけどメタボでもない」ぐらいの、“ちょいガタイのいい普通体型”ってイメージですね。つまり、筋肉をバキバキに鍛えまくったボディでもなく、モデルのようにスレンダーな体でもなく、ちょっと肉付きがあって健康的な感じの肉体が「ちょうどいい」って話になりましょう。

 

でもって、続いて研究チームは「BMI23〜27」の体形が、現代人の目から見て本当に魅力的なのかも調べてます。具体的には、

 

  1. 実在する男性の全身画像(白黒、顔なし、身長情報なし)15枚を用意。それぞれBMIや体脂肪率が異なる。
  2. 中国・リトアニア・イギリスの参加者(男女問わず)を集め、「魅力的な体型の順に並べてください!」と指示する

 

って感じで、各画像の平均魅力度スコアをデータ化したんだそうな。その結果は以下のようになりました。

 

  • BMI・体脂肪率(BF%)と魅力度の関係
    • 3カ国共通で「ピーク型」の関係
    • 一番モテるのはBMI 23〜27のあたり(進化モデルでの予測値とほぼ一致)
    • 体脂肪率は13〜14%が最も魅力度が高い

 

  • 肩幅とウエスト(SWR)の関係
    • SWRが1.57くらいで魅力度ピーク
    • ただし、それ以上は「広けりゃ広いほどモテる」とはならず、むしろ評価は安定しない

 

  • 複合モデルでは…
    • SWRよりもBMI(体脂肪率含む)の方が、魅力に強く影響した。

 

ということで、全世界的に「ちょい細マッチョ」に惹かれる傾向があったみたいですね。また、この結果には男女間の差がなかったそうで、誰から見てもモテ体型だってことですね。

 

13〜14%」って体脂肪率は「スポーツ選手としても健康レベル」「腹筋がうっすら見えるくらいの引き締まり具合」に相当しますね。体型としては、ゴリマッチョではないがヒョロガリでもなく、しっかり筋肉がついていて適度に脂肪が乗っているような感じですな。「パレオダイエットの教科書」で書いた狩猟採集民の体脂肪率にも近いところがありまして、「やっぱこれぐらいに落ち着くんだなー」って印象ですねぇ。

 

ちなみに、逆に体脂肪が5%台(超低体脂肪)になると、「逆に不健康そう」と見なされ、評価が下がっていた点も重要っすね。ビルダーぐらいバッキバキに仕上げた体は、“魅力”の観点からしたらイマイチなんでしょうねぇ。

 

あと、上記のデータでいう「肩幅とウエストの比率(SWR)」ってのは、いわゆる“逆三角形ボディ”の指標として知られてまして、従来の試験でも「1.57前後が最も魅力的!」とは言われてきたんですよ。その点で、今回の研究でも同じ傾向は確認されているんですが、面白いのは、

 

  • SWRの効果は体脂肪率に比べるとずっと小さい

 

ってところでしょう。特に中国やリトアニアでは、「肩幅が広い=魅力的」って評価はあまり強く確認されなかったんだそうな。むしろ、「痩せすぎ」や「マッチョすぎ」よりも、適度な体脂肪と全体のバランスのほうが重視されていたみたいでして、このあたりは日本でも同じような結果が出そうな気がしております。

 

では、なぜこれぐらいの体型がモテるのか?ってことですが、進化心理学的に見ると、これは非常に納得のいく結果でもあります。というのも、

 

  • 「適度に脂肪がある」人は健康だし、生存率も高いと考えられるから
  • 適度な脂肪は、ホルモンバランス(特にテストステロン)の安定性のサインでもあるから
  • 極端な低脂肪は、ストレス・栄養不足・過度な運動の疑いが出るから
  • 高すぎる脂肪は、メタボリスク・将来的な健康問題を連想させるから

 

みたいな傾向があるんですよ。一般的に、脂肪ってのは「今の見た目」だけでなく、「将来の安定性」「子育て能力」など、さまざまな進化的シグナルを発しているはずなので、これが“魅力度”を左右する要因になるわけっすな。

 

ということで、男性はまず“脂肪率13〜14%”を目指してみると良いかもしれません。これぐらいの体脂肪率であれば、別にそこまでの運動は不要で、野菜たっぷりの健康的な食事をこころがけていればOKなはずなので、達成しやすいんじゃないでしょうか。

 

最後に今回の研究をまとめておくと、

 

  • 最もモテる男性体型は、BMI23〜27、体脂肪率13〜14%、肩幅とウエスト比は1.57程度

 

という結果でした。バキバキの見た目よりも、「この人、健康そう」「頼れそう」「安心できそう」ぐらいに思わせてくれる体型のほうが、実はモテには効いてくるってことなんでしょうな。いま筋トレやダイエットに取り組んでいる方は、“魅力アップの最適ゾーン”を目指してみるのもアリではないでしょうか。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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