もっとも恋人との人間関係を破壊する行動パターンはこれだ!というメタ分析の話
「もっとも人間関係を破壊する行動はこれだ!」って内容のメタ分析(R)が出ておりました。
これはテキサスクリスチャン大学の研究で、過去の人間関係に関する論文74件から14,255人分のデータをまとめた内容になっております。データの質は全体的にはまぁまぁって感じですが、サンプル数が多くていいんじゃないでしょうか。
いずれの研究も、いろんな夫婦やカップルを集めて「いつもどんな会話をしてますか?」や「いまの関係性はどうですか?」といったポイントをチェック。「どのようなコミュニケーションをしてると関係性が崩壊するのか?」ってとこを調べたんだそうな。
そこで、まず大きな結論から言いますと、
- もっとも人間関係を壊すのは「需要/退却」パターンだ!
だったそうです。「需要/退却」パターンってのは、昔から結婚関係のリサーチではよく聞く言葉で、ひとことで言えば「相手の批判に無視を決め込むこと」のようになります。
たとえば、パートナーが「また掃除忘れたでしょ!」と言ってきたのをガン無視したり、「また遅刻して!」と怒られて「はいはいはい」とだけ答えてスルーしたりとか、そのようなパターンのコミュニケーションです。いったんこの状態になると、批判の側はさらに批判をするし、無視する側はさらに無視を決め込むようになって、ますますドツボにはまってくわけです。よくありますよね。
このようなコミュニケーションが続くと何が起きるかと言いますと、
- 離婚
- うつ病
- 子供の精神疾患
- 身体的な虐待
- 性格の変容(協調性と誠実性が減り、神経症傾向が増す)
- 免疫システムが異常を起こす
- 腸内環境が悪化する
などだそうです。うーん、やっぱ人間関係が壊れると、いろんなとこにガタが出るみたいっすねぇ。
研究者いわく、
これは結婚や恋愛における、もっとも普遍的な障害のパターンだ。そのダメージは計り知れない。
なかでも多いのは、女性側が批判を行い、男性側が無視をするパターンである。このパターンにハマるカップルの多くは、お互いのことを「問題を起こした原因」と考えている。
とのこと。「需要/退却」パターンがコミュニケーションの崩壊にもたらす悪影響は「r=.360」ぐらいになってまして、「そこそこ大きいなぁ」ぐらいのレベル。
ちなみに、このパターンにいったんハマると、なかなか回復するのは難しいんだけど、とりあえず「これは『需要/退却』パターンに落ち込んでるぞ!」と認識するのがファーストステップ。そこから「今の自分の行動はパートナーにどんな感情を与えてるだろう?」と自問自答をくり返すしかないそうです。
この手の問題はどれも同じですが、やっぱまずは自分が無意識にやってるパターンを認めるのが最初なんでしょうねぇ。とりあえず心当たりがある方は、パートナーと「『需要/退却』パターンって知ってる?」みたいに話しあってみるのが良いかと思いますね。