いつもの食事にジャンクフードを増やすと1週間で脳に大ダメージがあるぞ!みたいな実験の話
お菓子やファストフードが体に悪いのは言うまでもないことですが、新しい研究(R)だと「健康的な食事からジャンクフードに切り替えると1週間で脳が死ぬぞ!」みたいな結論になっててビビりました。
これはマッコーリー大学の実験で、20歳から23歳の学生110人を対象にしたもの。普段は野菜やフルーツが多い健康的な食事をしている人たちを選んだらしい。
実験では全体を2つのグループに分けまして、
- ジャンクフードの食事を続ける
- いつもの食事を続ける
って感じで1週間の経過をチェックしたんだそうな。この実験で採用されたジャンクフードってのは、
- トーストサンド
- ミルクセーキ
- ベルギーワッフル
- 人気のファストフードチェーンのデザート
といった内容になってます。基本的にはビタミンやミネラルがほぼゼロなうえに、飽和脂肪と砂糖が大量に入ってまして、いかにも気分が滅入りそうな感じっすね。
でもって、定期的に脳機能のテストなどもしつつ、学生たちにどんな違いが確認されたかと言いますと、
- ジャンクフードの量を増やしたグループは、たとえ「もう満腹だ!」と感じている時だろうが、ついスナックやチョコレートに手が出がち
- ついでに、ジャンクフードの量が増えるほどに記憶力テストでも悪い結果が出た
だったそうで、ジャンクフードのせいで食欲が暴走する現象は前からおなじみでしたが、ほんの1週間で記憶力にもダメージがあるってのはちょいビックリですな。
研究チームいわく、
たとえば、ケーキやチョコレート、ポテトチップスを見ると、私たちの脳にはジャンクフードの美味さの記憶があふれ出す。通常は、お腹がいっぱいになると、脳内の海馬というエリアがジャンクフードの記憶を抑制し、食欲を減退させてくれる。
しかし、1週間ほどジャンクフードを食べ続けた被験者は、海馬に機能障害が発生し、満腹時でもジャンクフードを食べたいという欲求を抑えることができなくなってしまう。ジャンクフードは自制心を損なうことで、欲望を増大させるのだ。
とのこと。海馬といえば記憶と学習に重要な役割を果たしているエリアですが、ジャンクフードを食べていると、この機能にダメージが発生して、食欲の暴走につながってしまうんだ、と。記憶と学習の機能が損なわれたせいで食欲がコントロールできなくなるってのは、おもしろいポイントですなぁ。
もっとも、ジャンクフードが海馬によくないって話は昔からありまして、過去の研究でも「飽和脂肪と砂糖の量が多い西洋式の食事を与えられたマウスは、記憶力と学習能力に障害が現れた!」なんて結果が出てたりしますからねぇ。似たような現象はヒトにも当てはまる可能性は十分にあるんでしょうな。
さらに研究チームいわく、
今回の実験は、ジャンクフードが海馬を破壊し、記憶力が損なわれた結果、さらに多くのジャンクフードを食べたくなる可能性を示している。記憶テストの結果から判断すると、海馬の機能が低下した人ほど満腹でも食欲が増加していた。
さらに言えば、この実験は、過去の研究と同じように、短期間だけ砂糖と飽和脂肪が多い食事を増やしただけでも、認知の障害を引き起こすことを示唆している。
ってことで、やはりジャンクフードは怖いもんですな。
もっともこの研究では、実験が終わってから3週間後に再び記憶テストをやってみたところ、被験者の海馬は正常なレベルに復帰してたそうなんで、1週間ほどジャンクフードを続けたぐらいなら復活できる可能性は高そうではあります。果たしてジャンクフードをどれぐらい食べたら脳に永続的なダメージがあるのかは不明なんで、とりあえずは気をつけておきたいとこっすね。