タルトチェリーで運動の疲れが改善するぞ!というメタ分析の話
健康によい飲み物といえばコーヒーやら緑茶やらいろいろあるわけですが、近ごろよく耳にするのが「タルトチェリージュース」であります。タルトチェリーっていう酸味の強いチェーリーをジュースにしたもので、抗酸化パワーや睡眠の改善パワーが高いことがわかってきたんですよ。
で、新しい研究(R)は「タルトチェリージュースは運動のパフォーマンスアップに効くぞ!」って結論になってておもしろいです。
これは「タルトチェリーと運動の疲労感」に関する先行研究から質が高い10件をまとめたメタ分析で、それぞれの実験の参加者の数は8〜27人、平均年齢は18.6歳〜34.6歳だったそうな。
全体的には普段からエクササイズをしまくってる人を集めていて、サイクリスト、ランナー、トライアスリートなどが多め。持久運動の疲労について、タルトチェリーの抗酸化パワーが効くかどうかをチェックしたわけっすね。全体の実験の質はそこそこって感じですが、わりと信頼性が高くてよろしいのではないでしょうか。
そこで、まず大きな結論として何がわかったのかと言いますと、
- エクササイズの前にタルトチェリーのジュースやサプリを飲むと、持久運動のパフォーマンス能力が有意に改善される
みたいになってます。全体的に見ると、1.5時間前にタルトチェリーを飲むことでサイクリングや水泳、ランニングの成果がほぼ確でアップするみたい。ジュースじゃなくてサプリでもいいってのは手軽でいいっすね。
では、もうちょいくわしくデータの内訳を見ていきますと、こんな感じです。
- 10件の研究のうち9件はタルトチェリーの長期摂取(運動の約2〜7日前から毎日連続で摂取する)に関するもので、1件は飲んですぐに効果が出るかを調べている
- 実験で使われたタルトチェリーの用量は…
- カプセルまたは粉末の場合は1日200〜500mg
- タルトチェリー果汁濃縮液の場合は60〜90mLw100〜510mLの水で薄めて飲む
- タルトチェリージュースの場合は1日300〜473mLを飲む
- タルトチェリーにふくまれるアントシアニンの総量は66〜2,760mgの範囲
- タルトチェリーを飲めば飲むほどパフォーマンスが上がるわけではなく、この研究だけではまだ最適量はわからない
- タルトチェリーの効果は、普段からエクササイズの量が多い人ほど得られやすい(あんま運動してない人が飲んでもメリットは低い)
というわけで、「まだ正しい用量はよくわからんけど、パフォーマンスアップには効く!」とは考えられるんじゃないでしょうか。
まー個人的には「もうちょいデータが欲しい……」って感じなんで、まだ運動の前にタルトチェリーを飲もうとまでは思わないわけですけど、タルトチェリー自体のメリットはわりと確認されてまして、
- 血圧の改善にいいよー
- 悪玉コレステロールの数値を下げるよー
- 睡眠の改善にもいいよー
なんてご利益も得られそうな感じではあります。そう考えると、普段からタルトチェリージュースを飲んでおくのもアリかなーとは思うわけです。