排便による「カロリー消費量」がバカにならない件。というかダイエットに役立つレベル
体重を減らすにはトータルの摂取カロリーを減らすしかないのは当たり前の話。一部には「カロリーは神話だ!」みたいな話もありますけど、個人的にはまったく信じておりません(もちろん代謝の変化とかで同じカロリーでも太りやすさは変わりますが)。
で、ここで意外と言われないのが、「排便によるカロリー消費」の影響であります。人間の活動はどんなものでもカロリーを消費しますんで、当然ながら排便でもカロリーは消費されるわけです。言われてみりゃそうですよね。
そこで、近ごろ出たレビュー(R)では、過去に行われた「排便と消費カロリー」に関するデータを集めて、「排便ってどれぐらい体型の維持に役立ってるの?」ってポイントをチェックしてくれてます。おもしろいっすなぁ。
では、このレビューでどんな研究が引用されてるかと言いますと、
- 人間は平均して摂取カロリーの5%のカロリーを排泄物から失ってるが、個人によって2~9%のばらつきがある(R)
- 肥満の人を対象にしたテスト(R)では、過食時には6%、カロリー制限時には9%のカロリーが排便で消費されていた。ただし、やはり個人差は大きくて、ある被験者は80kcalしか失われなかったのに対し、別の被験者は500kcalもの損失を示した。なかには、砂糖入りのソーダ水500ml分のエネルギーを排便で失う人もいた(212kcalぐらい)
- また別のデータ(R)では、排泄によりカロリー消費量は全体の5.2%から20%に広がっていた
みたいになってて、激しい個人差が確認されてますね。この知見をベースにチームは、排便の消費カロリーが少ない人を「浪費家」、消費カロリーが多い人を「倹約家」と名づけております。
そんなわけで、チームは「排泄の消費カロリーって体脂肪の減少に役立つんじゃないの?」みたいな説を考えておられます。確かに、80kcalと500kcalもの差があるなら、長期的な体型に大きな違いが出てもおかしくはないっすね。ここにNEATの違いも組み合わせたら、1日の消費カロリーに800kcal近い差が出る可能性もありそうですし。
ちなみにこの仮説には傍証があって、ある実験(R)では、動物にポリフェノールを補給させたところ排泄の消費カロリーが増えて、高脂肪食でも肥満しづらくなったらしい。また、オリスタットみたいに(R)排泄の消費カロリーを増やす働きがある薬を使ったテストでは、ヒトでもまぁまぁの体重減少が確認されたそうな。もちろん排泄カロリーを増やせば痩せる!って話にはなりませんけど、消費カロリーを増やすように心がけるのは悪いことじゃありますまい。
では、現時点で何ができるかと言いますと(R)、
- おそらく加工食品は排泄エネルギーを減らすので、成竹減らしておく
- とにかく食物繊維の摂取量を増やして排便量を増やす
- 野菜とフルーツを食べてポリフェノールなどを増やす
ってあたりが有効じゃないか?って感じです。要するに、このブログで「体重の維持に役立つ!」と普段から言ってることは、排泄のエネルギー量にも影響を与えるってことですね。
最終的にはいつもどおりの結論に落ち着きましたけど、どうも排泄のエネルギーはバカにできないみたいなんで、気にしておくと良さげです。