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今週末の小ネタ:天然マインドフルネスで腹の脂肪が減る!ビタミンK1を摂取していないとヤバい!クミンでメタボが改善しまくるかも!


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

  

 

天然「マインドフルネス」野郎は肥満になりにくいかも

天然でマインドフルネスな人はお腹の脂肪が少ない!というナイスなデータ(R)が出ておりました。

 

 

天然で生まれつきマインドフルネスってのは、文字どおり生まれつきマインドフルネスのレベルが高い人のことで、こういうタイプの人ってのは健康的だって報告が過去には出てたりします。研究チームいわく、

 

これは日常的なマインドフルネスです。この人たちの大多数は、瞑想をしていないのです。

 

とのこと。わざわざマインドフルネスを鍛えなくとも、生まれながらにマインドフルで日常を送れている人が一定数存在するわけですね。

 

 

で、この研究は394人の男女を対象にしたもので、まずはみんなに天然のマインドフルネスを調べる質問に答えてもらいました。たとえば、

 

  • 私は、現在起こっていることに集中するのが難しい。

  • 何らかの感情を経験していても、しばらくしないとそれに気づかないことがある。

 

といった文章に賛成するかどうかで参加者のマインドフル度をチェックしたんだそうな。さらに、そのうえでみんなの体重と比べたところ、マインドフル度が高い人ほどお腹の脂肪が(448gほど)少なかったらしい。あくまでちょっとだけなんですが、やはりマインドフルネスと体脂肪には関係があるんだ、と。

 

 

研究チームいわく、

 

マインドフルネスで一瞬一瞬を意識することで、それが自分の行動や気持ちにどのように関係しているのかを知ることができるのだろう。

 

とのこと。要するに、マインドフルネスってのはつねに「現在の状況」を意識する行為なので、食べ過ぎを自覚させることで肥満を防ぐことができるのではないか?ってことですね。確かに、マインドフルを意識しつつ食事をすると体重が減るってデータはありますんで、今回の結果にも納得ではありますね。

 

 

さらに研究チームいわく、

 

食べることは日常的な行為なので、私たちは簡単にその経験から意識が逸れてしまう。しかし、意識がさまよっているあいだにも、あなたの手は次々と食べ物を口の中に押し込んでいく。

 

研究によると、テレビを見ているときや友人と話しているときなど、気が散っているときのほうが食べる量が多くなるという結果も出ている。

 

残念ながら、食事に集中していないときには食べる量が増え、食事の楽しみが減ってしまう傾向にある。そのため、摂食障害や肥満に対処するための1つのアプローチとして、マインドフル・イーティングが用いられている。

 

マインドフル・イーティングとは、一口の量を減らし、自分が食べているものに注意を払うことだ。この方法では、食べる量が減るだけでなく、食事をより楽しむことができる。

 

とのことなので、たまにはマインドフルを意識した食事をしてみると楽しいかもしれません。ちなみに、自分が天然でマインドフル度が高いかどうかを調べる方法は「自分のマインドフルネス度を判断するための15問」にまとめてますので、あわせてご参照ください。

 

 

 

ビタミンK1を摂ってないと死亡リスクが高まりまくるから注意してねーという観察研究

ビタミンKは血管の健康に欠かせないよー」って話はよくしてましたが、あらためて「ビタミンK1超大事!すべての死亡リスクに関係してるかも!」って結論の観察研究(R)が出ておりました。

 

 

これはデンマークに住む56,048人(中央値56歳)を対象にした前向きコホート研究で、

 

  • ふだんからみんながどれぐらいビタミンK1を摂取しているか?を調べる
  • みんなのビタミンK1摂取量と心血管疾患(CVD)、癌、すべての死因による死亡率を調べる

 

みたいになってます。ビタミンK1の摂取量はアンケート用紙を使って推定しまして、そのうえでいろんな病気や死亡率との関係性を調べたわけっすね。追跡の期間は23年間でして、なかなか長期の観察データになっております。

 

 

その結果、なにがわかったかと言いますと、

 

  • ビタミンK1の摂取量は、摂取量が最も多い五分位と最も少ない五分位(つまり、摂取量が最も多い20%と最も少ない20%)を比べた場合、全死亡リスクを23%、CVD関連死亡リスクを25%、がん関連死亡リスクを19%低下させることがわかった

 

だったそうです。なかなかに明確な違いが出ておりますね。

 

 

こういう違いが出た理由としては、もともとビタミンKには血液の凝固や骨代謝をコントロールする働きがあるからだと言われてるんですが、そもそもビタミンKってのはまだ謎の機能が多いので、なんでこいつが不足するのが良くないかはよくわかってなかったりします。まだまだわからないことがありますねぇ。

 


ただし、この研究によりますと、ビタミンK1の摂取量が最も少ない参加者の推定摂取量は1日あたり57μgだったとのこと。これはビタミンKの適切な摂取量(AI)である150μgよりもかなり低い値でして、それじゃあ身体のダメージも多くなるだろうなぁとは思うわけです。つまり、ビタミンKのサプリとかでガンガンに摂取量を増やしたところで、全死亡リスクが減るってわけではないんで、そのあたりはご注意ください。

 

 

 

クミンがメタボにめちゃ良いかも?

クミン、めちゃくちゃ体にいいのでは?」みたいなメタ分析(R)が出ておりました。クミンってのはご存じカレーなどに使われるスパイスで、エスニックな香りが特徴っすね。幅広いフェノール類とフラボノイド類を豊富に含んでいることがわかってまして、昔から「メタボに効くんじゃない?」などと言われてきたんですよ。

 

 

そこで今回のメタ分析では、過去のデータから8件のRCTをピックアップしまして、メタボに悩む成人486名にクミンシードのサプリが良い影響をもたらすかどうかを調べたんだそうな。いちおうチェックしたポイントの内訳をまとめておくと、

 

  • BMI(8試験)
  • ウエストサイズ(4試験)
  • 総コレステロール(8試験)
  • LDLコレステロール(7試験)
  • HDLコレステロール(7試験)
  • 中性脂肪(8試験)

 

といったあたりを調べたものになっております。参加者の平均年齢は36歳から59歳で、クルクミンシードは、オイル、パウダー、またはエキスとして、1日あたり25〜2,000mgの量を8〜24週間にわたって摂取。試験はすべてイランで行われております。

 


その結果、

 

  • クミンシードの摂取は、プラセボと比較してBMIを0.88kg/m2、総コレステロールを3.96mg/dL改善した
  • 出版バイアスを調整すると、クミンシードのサプリメントは、ウエストサイズ、HDLコレステロール、トリグリセリドも改善した

 

みたいになってます。別に劇的な数値じゃないですけど、個人的には「おー!スパイスでこれぐらいの効果が出るならいいじゃない!」ぐらいの印象はありますね。

 

 

まぁ全体的なデータを見ますと、どの研究も「質が低い」または「非常に低い」と判定されてるんで、そこまで結果の信頼度が高いってわけでもないのが残念なところではあります。あくまで「メタボに効くかも?」ぐらいの内容ではありますが、スパイスを楽しむついでにメタボが改善したらいいなーぐらいに考えておくといいんじゃないでしょうか。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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