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ネイビー・シールズの司令官に学ぶ人生の10カ条


ネイビー・シールズ司令官のウィリアム・マクレイヴンさんがテキサス大で卒業スピーチをされたんですが、これが海軍の知識をベースに人生を語る、気の利いた内容だったのでメモしておきます。




1・世界を変えたければ、毎朝ベッドを整えよ
司令官いわく、

毎朝ベッドを整えれば、1日の最初のタスクを達成できます。この達成感は、小さな誇りをもたらし、次から次へと別のタスクに向かう意志を与えてくれます。1日の終わりには、ベッドを整えたことが、より多くのタスクをこなすことにつながるのです。人生においては、ベッドの整頓のような小さなことが重要だと教えてくれます。


2・世界を変えたければ、共にボートをこぐ仲間を見つけよ
司令官いわく、

ボートで目的地に向かうには、全員がパドルを漕がねばなりません。世界は1人では変えられません。助けが必要です。真に目的地へたどり着くためには、友人、仲間、他者の善意、有能な舵取りが必要です。


3・世界を変えたければ、人の価値を足ひれのサイズで計るな
司令官いわく、

ネイビー・シールズの訓練は平等です。成功に必要なのは強い意志だけ。肌の色も、人種も、教育も、社会的な地位も関係ありません。世界を変えたければ、人の価値を足ひれのサイズではなく心で計ることです。


4・世界を変えたければ、シュガークッキーを乗り越えよ
司令官いわく、“シュガークッキー”は、失敗を意味する軍隊の俗語。制服検査に落ちた新兵が、罰として海辺をランニングさせられ、全身が泥まみれになった姿を表現したものらしい。

努力がムダになった事実を受け入れられない新兵が多くいます。いかに頑張ったところで、その価値は認められないのです。

そういった新兵たちは、 訓練をやり抜くことができません。訓練の真の目的を理解していないからです。それでは決して成功しません。正しく軍服を着ることもできません。

どれだけ準備をしても、どれだけ上手くやったとしても、シュガークッキーで終わることはあります。それが人生です。

 世界を変えたければ、シュガークッキーを乗り越え、前に進まねばなりません。


5・世界を変えたければ、サーカスを恐れるな
司令官いわく、“サーカス”は、苦難を意味する軍隊の俗語。訓練で成果を残せなかった新兵は、翌日に超ハードな追加訓練(サーカス)に呼ばれるらしい。

2時間の追加訓練を行った新兵は、より強くなっていきます。サーカスの痛みが、彼らの中に身体的なしなやかさを作り出すのです。

人生はサーカスに満ちています。必ず失敗は起きます。とても苦痛です。気分も落ち込みます。しかし、これらは、あなたの芯をテストしてくれます。

 世界を変えたければ、サーカスを恐れてはいけません。


6・世界を変えたければ、障害に頭から飛び込め
司令官いわく、ロープにしがみついて滑降する訓練で、ある訓練生が頭を下にした状態で挑んだところ、それまでの記録を大きく塗り替えたんだそうな。

それは、あきらかに危険で、リスクをともなう愚かな行為でした。失敗すれば大ケガは間違いなく、訓練も落第です。しかし、その訓練生は、ためらいなく危険な速度でロープを滑り降りました。その結果、それまでの記録の半分の時間で、訓練を達成したのです。

世界を変えたければ、ときには頭から障害に飛び込まねばなりません。


7・世界を変えたければ、サメから逃げ出すな
司令官いわく、ネイビー・シールズには、サメが生息する海を夜中に泳いで渡る訓練があるらしい。

訓練生たちは、次のように教えられます。サメが周囲を泳ぎ始めたら、その場に待機せよ。泳いで逃げようとしてはいけない。怖がってもいけない。飢えたサメが夜食を探して向かってきたときは、全力で鼻を殴りつければ必ず逃げていく。

世の中にも、多くのサメが生息しています。最後まで泳ぎ切りたいなら、サメに対処しなければなりません。


8・世界を変えたければ、もっとも暗い瞬間に最善を尽くせ
司令官いわく、

敵の船を沈めるには、船体の下に潜り込み、船のセンターラインである竜骨を見つけねばなりません。これが目標です。しかし、竜骨は船体でもっとも海底に近いパーツです。そんな場所では、目の前にある自分の手すら見えず、船の機械音に聴覚を奪われ、誰もが簡単に混乱と失敗に陥ります。

すべてのネイビー・シールズたちは、竜骨の下のもっとも暗い瞬間にこそ、気持ちを落ち着け、冷静さを保たねばならないことを理解しています。その時に、すべての戦略技術、身体能力、内なる力を集中させるのです。

世界を変えたければ、もっとも暗い瞬間に最善を尽くさねばなりません。


9・世界を変えたければ、首まで泥に埋まって歌を歌え
司令官いわく、ヘル・ウィークと呼ばれる9週目のトレーニングでは、6日間一睡もせず、全身を飲み込むほど深い泥地を行進する訓練が行われるらしい。

泥のなかで辺りを見回すと、数名の訓練生が早くもギブアップ寸前の状態です。太陽が昇るまでは後8時間。骨まで冷える寒さから逃れるまで8時間です。歯の鳴る音とうめき声は、他に何も聞こえないほど大きくなります。そのとき、ある声が夜闇に響きだします。誰かが歌い始めたのです。

歌はひどく調子外れでしたが、大きな熱意がこもっていました。1つの歌は2つ、3つと増えていき、すぐにクラスの全員が歌い始めました。(中略)そして、いくらか泥は暖かくなり、風はいくらか穏やかに吹き、夜明けが近づいたのです。

わたしが世界中を旅して学んだのは、希望の力です。ワシントン、リンカーン、キング牧師、マンデラ、パキスタンのマララといった個人が、人々に希望を与えることで世界を変えたのです。

世界を変えたければ、首まで泥に埋まって歌を歌わねばなりません。


10・世界を変えたければ、決してベルを鳴らすな
司令官いわく、ネイビー・シールズの宿舎には、大きなベルが吊り下がっているらしい。訓練を止めたくなった新兵は、このベルを鳴らす決まりなんだそうな。

ベルを鳴らせば、もう朝5時に起きる必要はありません。ベルを鳴らせば、凍える海を泳がずにすみます。ベルを鳴らせば、もう障害物コースを走らなくても構いません。過酷な訓練に耐えなくてもよいのです。ただベルを鳴らすだけです。

世界を変えたければ、決してベルを鳴らしてはいけません。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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