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心理学者が薦める「不安」と上手くつきあうための名作映画5選


the guardianに出てた「心理学者がオススメする不安を学べる映画」が面白いのでメモ。




いまの認知行動療法の世界では、不安の感情は、怒りに次いでメンタルに悪影響を及ぼしやすい感情で、上手くつきあっていくのは超大事。で、このコラムによれば、

映画の歴史は不安の歴史です。リュミエール兄弟の初期作「ラ・シオタ駅への列車の到着」の上映では、観客たちは叫んで逃げ出しました。彼らは、列車が本当に自分たちの方へ向かってきたと思ったのです。しかし、映画は観客を不安にさせるだけではありません。

不安を客観的に見せることで、感情がどう動くかを理解させてくれるのです。


 とのこと。心理学者がオススメする、「不安」を理解できる映画は以下の5本であります。


戦場でワルツを



2008年のイスラエル映画。レバノン戦争に従軍した監督が、自身の記憶が欠落している理由を探す姿をアニメの形式で描くドキュメンタリーで、 「不安がPTSDを引き起こす様子を力強く描いている」と評価されております。これは確かに衝撃度の高い傑作でして、ここで紹介する5作品のなかでは、もっとも万人に向けてオススメできる一作かも。

惑星ソラリス


言わずと知れたタルコフスキー監督の代表作。未知の惑星ソラリスに降り立った科学者が、自殺した妻の幻影に苦しむ話でして、「不安を抱えた人間は、自身の感情を対象化し、不安の原因から逃げようとする傾向を描いている」と評価されております。


わざと退屈に作ってある上に、ランニングタイムも長い作品なので、しっかり睡眠をとった上でカフェインを飲みつつの鑑賞をおすすめします。わたしは1回めは爆睡して、2回めでようやく最後まで見通せました(笑)。

頭のない女



日本未公開のアルゼンチン映画。“何か”を車で轢いてしまった女性が、少しずつ「人を殺してしまったのかも…」と疑心暗鬼に陥る姿を描いた作品だそうで、「不安が人をむしばむ姿が的確に描かれている」んだそうで。the guardianでも「欠点がない傑作」と高評価されていて、ぜひ見てみたいんだけど日本版DVDは未発売みたい。

ケミカル・シンドローム

http://www.tsutaya.co.jp/works/10001771.html

「ベルベット・ゴールドマイン」で有名なトッド・ヘインズ監督の初期作。見えない汚染物質に苦しむ主婦が心を病んでいく姿を描くサスペンスで、「一般的な不安症の特徴がよく出ていて、無害なものにもネガティブに反応してしまう傾向が描かれている」とのこと。これも気になる一作ですが、日本ではVHSしか発売されていない模様。トホホ。

オープニング・ナイト



名匠ジョン・カサベテス監督の1977年作品。自分のファンが事故死したのを目撃した女優が、そのショックで幻覚に苦しみ始める話で、「ここには、演じることへの不安と、老いと自己イメージの解離への不安が描かれている」とのこと。確かに、とにかく主演女優の演技がド迫力で、見ていてどっと疲れる傑作でした。年をとってから見たら、また感想が違ってきそう。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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