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あの美味い食材で集中力が上がるかもしれんぞ!という研究の話



あの食材で集中力が上がるかも!」みたいなおもしろいデータ(R)が発表されておりました。


といっても、これは"太りぎみ”な人を対象にした実験でして、研究チームはこう申しておられます。

過去の研究では、太りぎみな人たちは、高齢になるほど認知低下と認知症のリスクが高まることがわかっていた。そのため、この研究では、食事療法を使って脳の健康(特に中年期の)が改善するかを調べるのが目的だった。


人間の脳ってのは体重が太るとどうしても機能が落ちちゃうものでして、その対策としては、やはり痩せなきゃいけないのが第一。なんだけど、次善の策として「食事を変えてもある程度まで脳機能は保てるのでは?」と考えたわけですな。


これはイリノイ大学の研究で、過体重または肥満の男女84人を集めて、チームが用意した食事を12週間ほど続けて食べるように指示したんだそうな。その際、全員が口にした食事のカロリーと三大栄養素のバランスは同じだったんですが、ひとつだけ違うポイントがありまして、

  • メニューに新鮮なアボカドがふくまれているかどうか

だったんですよ。全体の半分のグループには毎日アボカドを食べてもらって、残り半分にはアボカド抜きの食事を提供したわけっすね。


アボカドは当ブログでもおなじみの食材で、「食欲を抑える効果がすごいかも?」とか「アボカドが糖尿予防に役立つかも?」といった感じで、おもにダイエット系のメリットを中心におもしろい傾向が確認されております。しかし、実はアボカドは脳にもいいんじゃないか?とチームは考えたんですね。


で、12週間後に全員に3つの認知テストを指示して、脳の注意と抑制機能がどう変わったかをチェックしたところ、こんな結果になりました。

  • アボカドを食べた参加者は、 「フランカー課題」 のパフォーマンスが改善した!

フランカー課題は認知力テストの定番で、↓のリンク先みたいなやつです。こいつを使うと、「脳がどれだけ注意できているか?」ってのがわかるんですよ。


というわけで、どうやらアボカドは太りぎみな人の集中力を改善してくれるみたいですが、なんでそんな現象が起きるのかはいまんとこ謎であります。当初、チームは「アボカドに入ってるルテインが聞いてるのでは?」と考えたらしいんですが、どうも血中のルテインレベルと認知機能は相関しなかったそうで、なんだか不思議っすね。


研究チームいわく、

アボカドにふくまれる栄養素が脳内で特定の働きをして、認知機能をサポートしているのかもしれない。(中略)アボカドには食物繊維や一価不飽和脂肪も多くふくまれている。これらの栄養素が認知効果に何らかの役割を果たしている可能性もある。今後の分析では、アボカドにふくまれる他の栄養素が、炎症や腸内細菌などの影響に焦点を当てるかもしれない。

だそうで、まだなんにもわかってない感じなんですが、

ここで私たちが学んだのは、アボガドには神経の保護作用があるかもしれないということだ。

ということなんで、とりあえず積極的に食べていただければ良いのではないかと。


また、太りぎみじゃない人が「フランカー課題」の成績をよくする方法としては、


 なんて手法がありますんで、こちらも合わせてお試しいただくといいんじゃないでしょうか。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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