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アボカドの食欲を抑える効果がすごいかも?みたいな実験の話

 

アボカドが優秀な食材なのは有名な話でしょう。栄養が豊富なのはもちろん質がいい脂肪もたっぷりで、食材のスタメンにしてもいいのではないかというレベルなんすよね。

 

 

で、新しい論文(R)は「アボカドの空腹解消効果がすごい!」って内容になってて、さらに心引かれてしまうわけです。

 

これはイリノイ工科大学の研究で、肥満に悩む31人の男女を対象にしてます。年齢は20〜65歳で、みんな太ってはいるものの基本的には健康体な人を選んだとのこと。

 

 

実験はクロスオーバー形式になってまして、以下の3パターンの食事を全員が順ぐりに実践しております。

 

  1. いつもの食事で炭水化物からとってるカロリーを68gのアボカドに置き換える
  2. いつもの食事で炭水化物からとってるカロリーを136gのアボカドに置き換える
  3. 低脂肪&高炭水化物の食事をする(コントロール群)

 

もちろんどの食事も総カロリーとタンパク質量は同じにそろえてますが、アボカドグループは40%が脂肪で50%が糖質、コントロール群は脂肪が14%で糖質75%って割合になっております。

 

 

その上で、食事から6時間後に、全員の主観的な満腹度や空腹ホルモン(グレリンとかGLPとか)を計測したところ、こんな結果になりました。

 

  • 136gのアボカドを食べると、コントロール食より食後の空腹感が約15%ほど低くなる(68gのアボカドだと6%ぐらい)
  • 136gでも68gでも、アボカドを食べるとコントロール食より30%ぐらい満足度が増える
  • 参加者の主観とホルモンの変化は対応しており、アボカドで空腹感が消えた人ほどグレリンやGLPの量が少なかった

 

とのことで、やはりアボカドは空腹感を抑える働きが結構あるみたい。

 

 

この論文では「まだアボカドでなぜ空腹が減るのかはわからない」とのことなんですけど、アボカドは「食物繊維」と「MUFA」が豊富なんで、別に食欲がまぎれても不思議ではないかなーと思うわけです(どちらも消化が遅いので満腹感が長続きしやすい)。

 

 

まぁ実験デザインが現実の食事パターンをシミュレートしてないので、アボカドがどこまでドカ食いの解消に役立つかは謎ではあります。とはいえ、どっちにしてもアボカドが健康食なのは間違いないので、ハイカロリーを気にせず食卓に取り入れてみればよいのではないかと。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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