「筋肉の成長を最大化したけりゃプロテインをこまめに飲もう!」ってアドバイスは正しいのか問題
「筋肉の成長を最大化したけりゃプロテインをこまめに飲もうぜ!」みたいなアドバイスがよくあるわけです。筋トレの後とかだけに飲むんじゃなくて、3時間おきとか3時間おきにちょこちょこと飲んだほうが筋肉は発達するよーって考え方ですね。
なんでこういった考え方が生まれたかと言いますと、
- 1回のプロテインで起きるタンパク質合成には限界がある
- さらにプロテインを飲んだ後に起きるタンパク質合成は120分ぐらいでピークを迎える
- ならば、つねに体内に適度なアミノ酸を切らさないほうがいいのだ!
みたいな流れです。これらの前提は先行データでも確認されていて、なかなか説得力があるなーと思っておりました。めんどくさいので個人的には実践してませんでしたが。
で、新しく「この『プロテインを細かく飲む』テクニックはどこまで意味があるんでしょうか?」ってところを調べたデータ(R)が出てましたんで、要旨をまとめておきます。
これはパデュー大学の系統的レビューで、過去のプロテイン研究から34件のデータをまとめたもの。健康な成人を対象に6週間以上のテストを行ったものだけを選んで、大きな結果を出してくれてます。残念ながらメタ分析は行われてないんですが、十分参考になる内容ではないかと。
では、多くの実験で何を調べたのかと言うと、
- プロテインを毎食ごとに飲む
- 食事と食事のあいだにプロテインを飲む
って2つの戦略を使った場合に、どっちのほうが体型が良くなるのか?ってポイントです。シンプルにプロテインを飲むタイミングを変えただけで、体型に変化は出るのか?ってとこですね。
その結果がどうだったかを箇条書きにすると、以下のようになります。
- どちらのグループも、筋肉は同じように増えるっぽい(全データのそれぞれ90% vs 94%に筋肉の増加が見られた)
- 体脂肪については、食事とプロテインを一緒にとったときのほうが一貫して減少する傾向があった(84% vs 59%)
ということで、プロテインを細かく飲む説にやや不利な結論になってますね。もちろん、これだけで否定はできないんですが、実は2013年にも「プロテインのタイミングって筋肉の発達に関係なくないか?」ってメタ分析(R)が出てるんで、結局は十分なタンパク質をとってればいいのかなー、という感じ。
まぁこれはそこまで長期の試験でもないですし、過去データを参照してると、
- 細かくプロテインを飲むのは、長期的にはストレングス系のアスリートには役立つかも?
という気もしないでもないんですけど、特に一般人が気にするレベルでもないですかねぇ。とりあえず、現時点ではプロテインは食事といっしょにとったほうが体脂肪も落ちてますし、体型改善のためにはそちらを選ぶのが正解かもですな。