20分のオープンモニタリング瞑想を続ければ仕事のミスが減らせるかも?という実験の話
最近あんま瞑想関連のデータをとりあげてなかったせいか「まだ瞑想やってますか?」とかたまに聞かれるんですけど、いまも普通にやってます。頭の働きが落ちてきた夕方とか寝る前とかにちょこちょこと。
といっても、昔は「集中力をつけるぞー!」とか「涅槃に至るぞー!」とか下心バリバリで実践してたもんですが、近ごろは完全にただの習慣になってるんで、頭の回転数がほどよく落ちればいいやーぐらいの気持ちでやってます。
瞑想法もわりと適当になってて、昔はひたすら呼吸に集中する方法を使ってたのが、いまはただ座ってボーッとしてるだけです(笑) もちろん、それだけだと白日夢と変わらないので、なんか妄想が始まったら再び「ただボーッとする」状態にもどす感じですかね。おそらくこのやり方だと集中力とかは上がらない気がしますけど、まぁストレス解消にはなってます。
で、以上がただの現状報告で、ここからは久々に瞑想のお話など。たった20分の瞑想で作業のミスを減らせるようになるぞ!っておもしろいデータ(R)が出てたんでメモしときます。
これは、瞑想をやったことがない186人の女性を対象にした実験で、まずは全体を2つのグループに分けてます。
- 20分間だけ瞑想をする(スティーブ・ヒックマンさんの瞑想ガイドを使用)
- 18分ちょいの学習動画を見る(クリス・ロンズデールの「どんな外国語でも半年でマスターしてしまう方法 」を使用 ← ちなみに、この動画はおもしろいのでオススメ)
ここで使われた瞑想法は「オープンモニタリング瞑想」(通称「気づきの瞑想」or「ヴィパッサナー瞑想」)ってやつで、呼吸や姿勢といった特定の対象に意識を向け続けるんじゃなくて、
- なにか空想が浮かんだら、「いま自分は空想している……空想している……」と実況
- なんか腰が痛くなったりしたら、「腰の痛みが気になっている……気になっている……」と実況
みたいな感じで、自分の身に起きる変化に次々と気づいていくタイプの手法になります。さらにくわしいとこを知りたい方は、スマナサーラ長老の「自分を変える気づきの瞑想法【第3版】」などをどーぞ。
で、その後、全員に対してフランカー課題っていう「認識力テスト」を指示しつつ、さらに全員の脳波を測定したんだそうな。フランカー課題?なにそれ?という方は下のサイトで実践できますんで、興味がある方はお試しください。
さて、その結果がどうだったかと言いますと、
- 瞑想をしてもフランカー課題の成績は変わらなかった
- ただし脳波チェックの結果を見たら、脳がミスに気づいていることを示す証拠は得られた
みたいな感じだったそうです。実際にタスクの成績が上がるまではいたらな買ったものの、脳には明確な変化が出てたんだ、と。
研究チームいわく、
今回の発見は、わずか20分の瞑想でも、脳がミスを発見する能力を高めるためにできることの証明になるだろう。
マインドフルネス瞑想が、日常的なパフォーマンスや機能向上の働きを持つことについて、より自信を持たせてくれる結果だ。
とのこと。まー脳波チェックの結果って解釈に幅があるんで、研究チームの発言ほどハッキリした成果でもない気はしますが、「長期的に瞑想をやってれば仕事のパフォーマンスが上がるかも?」という希望を持たせる内容になってるんじゃないでしょうか。