太ってないけど体脂肪が多いんだよな……って人には「日替わり断食」がいいかもよ?という実験の話
このブログではいろんな「プチ断食」の手法を紹介してまして、なかでもよく出てくるのが「日替わり断食」の手法です。その名のとおり1日おきに断食をくり返すテクニックで、
- 月曜に普通の食事をしたら火曜日は断食
- 水曜日に普通の食事をして木曜日は断食
みたいなやり方で食事をしていきます。というと「断食の翌日にドカ食いしちゃうんじゃない?」って疑問もわきそうですけど、過去のデータを見てると意外とそうでもないらしいんですよ。
が、現在までの実験は肥満体の参加者さんをメインにしてるのが難点。果たして普通の体重な人たちが長期にわたって実践した場合に、どのような結果が得られるかはほとんど分かってなかったんですよね。果たして、普通体重の健康な人でも日替わり断食でメリットが得られるのか? それとも筋肉が落ちたり免疫系が不調を起こしたりするのか? といった問題っすね。
といったところで新しいデータ(R)は、ノーマルな体重の人たちに「日替わり断食」の効能を確かめてくれておりました。
これは健康体で標準体型な男女を対象にしたテストでして、どんな内容だったかと言いますと、
- 「日替わり断食」を6カ月やった30人の男女の血圧やら体内の酸化レベルを調べ、断食をまったくしていない60人の男女と比べる
- 続いて、断食をしなかった60人を半分に分けて、一方のグループに「日替わり断食」を指示、もう一方のグループには普通の食事を続けてもらい、4週間後の違いをチェックする
みたいになってます。長期のコホート研究と短期のRCTを行って、「日替わり断食」の全体的な効果を調べたわけですね。
この実験で採用された断食法は以下のようになってます。
- 食べてもいい日は好きなものを好きなだけ食べてOK
- 断食期間は36時間の空腹時間を作る
- 断食中は、水、炭酸水、ブラックコーヒー、緑茶のみ口にしてOK
36時間まるまる空腹期間を作るってのはかなり辛そうですねぇ。
でもって、どんな違いが出たのかと言いますと、
- 「日替わり断食」を4週間続けたグループは……
- 平均で週のカロリー摂取量が37.4%減った(コントロール群は8.2%減)
- 4週間で体重も大きく減少(-3.5kg)、体脂肪も-2.11kg減少、筋肉も-1.57kg減少
- 血圧も有意に改善(-3.37%)
- ただし、コレステロールや中性脂肪などには変化がなかった
- 「日替わり断食」を6カ月続けたグループは……
- やっぱり週の総摂取カロリーが減っていた (8,792 vs. 12,306 kcal)
- カロリー消費量もやや多かったが有意差はなし
- 短期間の実験と違って、総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪なども有意に減っていた
- 体内の炎症マーカーなどには特に違いがなかった(つまりアンチエイジングには効果がない可能性がある)
だったそうで、すでに健康的で標準体型な人(ただし体脂肪率はちょっと高め)でも、日替わり断食にはそれなりのメリットが得られそうな雰囲気を醸しております。
ただ気になる点としては、研究の事前登録の段階からいろいろと調べるポイントが変わってるとこすかね。ついでに検出力の検定もやってないので、「これはバイアスの可能性あるよなー」という印象はぬぐえなかったりします。
あと4週間の結果で日替わり断食グループの筋肉が減ってるのも気になりますけど、おそらくタンパク質の摂取量を増やせばいいんじゃないかなぁと予想。まぁ全体的に見れば「体型は標準的だけど体脂肪が多めかな……」みたいなお悩みをお持ちの方であれば試してみるのもアリじゃないでしょうかー。