HIITに筋トレを組み合わせたら、もっと効果が上がるんじゃないの?説を試した実験の話
このブログでは、HIITって運動法を長らく推奨してるわけです。いちおうざっと説明しとくと、ハードな運動を短い休憩を交互に行う手法のことで、たいていの場合は、
- 数十秒の猛ダッシュ
- 数秒の休憩
をくり返すようなケースが多いかと思います。こうやってメリハリをつけると、普通に走るよりも心肺機能が上がりやすかったりするんですよ。近ごろ紹介した「インターバル速歩」なんかは、この考え方を少しゆるくした運動法ですね。
で、新しい研究(R)は、「HIITに筋トレを組み合わせたらどうなるの?」って疑問を検証してくれていて楽しいです。普通はHIITといえば「激しい有酸素運動」を意味しますけど、これは筋トレでも意味があるのか?というポイントですね。
これは、アメリカ運動評議会による実験でして、21〜59歳の男女48人を対象にしたもの。みんな過去6ヶ月のあいだに筋トレをした経験がなく、タバコを吸わない人だけを選んだらしい。
でもって、実験では全員に「食事はいつもどおりの内容を食べてくださいねー」と指示をした上で、全体を3グループに分けてます。
- エクササイズをしない(コントロール群)
- HIIT式筋トレをする
- 普通の筋トレをする
まず「普通の筋トレ」ってのはこんな感じです。
- 1〜3週目まで=週2回の頻度で、1RM60%の負荷を使い、1セット10回のトレーニングを行う
- 4〜6週目まで=週3回の頻度で、1RM70%の負荷を使い、1セット12回×2セットのトレーニングを行う
全体的には「そこそこの負荷」で「多めの回数をこなす」って手法になっていて、まぁ定番中の定番と申せましょう。「1RMってなに?」と思われた方は、「タンパ大学式筋肉トレーニング」にざっくりした説明が書いてありますんで、そちらをご参照ください。
では、「HIIT式筋トレ」ってのがどんな内容だったのかと言いますと、こんな感じです。
- 1〜3週目まで=週2回の頻度で、5RM100%の負荷を使い、1セット5回のトレーニングを行う
- 4〜6週目まで=週3回の頻度で、5RM100%の負荷を使い、1セット5回のトレーニングを行う
というわけで、こちらは5RM100%ってのが大きなポイントになってまして、簡単にまとめると、
- HIIT式筋トレ=めちゃくちゃツラい重量で短い回数をこなすタイプのトレーニング
のようになりましょう。5RM100%ってのは想像するだにツラそうですが、当然がならその分だけトレーニング時間は短くて、HIIT式のワークアウトタイムがトータル20分だったのに対し、普通の筋トレは45分ほどかかったとのことです。
実験期間は6週間で、最終的に各グループにはこんな違いが確認されました。
- 体型については、筋トレをしたグループはどちらも同じように改善していた(体脂肪とかウエストサイズとかは、別にHIIT式だからといって優位性があるわけもなかった)
- が、HIITグループはより重いウェイトを持ち上げられるようになっていた(これは当たり前ですな)
- さらにHIITグループは、最大血圧とLDLコレステロール(いわゆる悪玉)の数値が改善していた
というわけで、体型についてはHIITを組み合わせても違いはなかったものの、コレステロールなどにはメリットがあったみたい。これはなかなかおもしろい結果ですねー。
まぁまだ研究の日が浅い分野なので今後のデータを見てみないと即断はできんのですが、
- HIIT式の筋トレは、普通の筋トレより半分以下の時間でも同じように筋肉を発達させる可能性がある
- ついでにコレステロールなどにも効くかもよ
ってことで、筋トレの時間がない方はお試しいただいてもいいかもしれません。私は高負荷トレーニングが苦手なので今ひとつテンションは上がらないのですが、筋力アップのためにやってみようかな……。