人生をうまくやるには「意味の感覚」が超大事だけど、具体的に意味を与えてくれるものってなんなの?
人生には「意味の感覚が大事だ!」なんて話があるわけです。「うまいメシ!」とか「リゾート!」みたいな喜びもいいけど、そこに「自分の人生には意味があるなぁ」って感覚がないと、なかなか持続的な幸福感は得られないよーって考え方ですね。
実際、人生の意味感には多大なメリットがあるようでして、
なんていう報告もあったりするんですよね。これらのデータを見てますと、自分の人生に意味を感じている人ってのは、
- 自分の見方が肯定的(自尊心と自信が大きい)
- 自分の独自性を肯定的に見ている(すなわち、他人との差異を良い意味で捉えている)
- 自己継続性がある(つまり過去と現在がつながっているという感覚がある)
- 基本的な心理的欲求が満たされている(自律性、有能感、関係性)
といったところがありまして、やっぱ人生をうまくやっていくために欠かせない要素だと言えましょう。
でもって、最近の研究(R)によると、「それじゃあ人生に意味をもたらす要素ってなに?」というポイントを調べてくれててためになりました。豆腐が大豆とにがりからできているように、「人生の意味」を作るためにはどんな材料が必要なのか?ってのをチェックしたわけですね。
これはイギリスで行われた調査で、610人の男女を対象に3つのリサーチを行ってます。それぞれ細かい調査法は違うんですけど、おおまかなデザインはこんな感じになります。
- みんながどれぐらい「人生の意味」を感じているかを調べる
- さらに、みんなが信念、価値観などをを尋ねる
- 最後に、みんなの人生の意味が、自己効力感、帰属感、自己継続性、個人的コントロール、自尊心、目的、一貫性、重要性などの構成要素から評価する
みたいになります。たとえば、参加者に「どんな状況で意味を感じますか?」と聞きまくり、それをいろんな要素に分解していったわけですね。
すると、「人生の意味」ってのは、どうやら3つの要素で予測されることがわかりまして、その結論をざっくりまとめると、
- 人生の意味を予測する三大要素は、実存的重要性、首尾一貫性、目的意識だった
- 上記の要素を、予測因子として信頼性が高い順番に並べると「目的意識 > 実存的重要性 > 首尾一貫性」のようになった
だったそうです。人生の意味を構成する要素はいろいろあるけど、そのなかでも「目的意識」がもっとも大事なんじゃないか、と。
いまいち定義がわかりにくいので、三大要素の意味を簡単に説明しときます。
- 一貫:自分の人生は秩序だってるなーって感覚。「人生に筋が通っている!」「自分の人生は明確だ!」「人生のさまざまな側面がうまく調和している!」みたいに感じられれば、人生に一貫性があると言えましょう。逆に「人生が混乱してる…」「なんか人生がバラバラだ」みたいな感覚があったら一貫性はない感じですね。
- 目的:包括的な人生の目的を持つこと。「 自分の人生が向かうべき方向について明確な見解がある!」「人生に重要な目標があり、それに向かって努力している!」みたいに感じられれば、人生に目的があると言えましょう。逆に「魅力的な目標がない!」とか「価値ある目標がない!」という感覚が大きいなら目的はない感じですね。
- 実存:自分の価値を感じられている状態。「自分の人生は生きるに値するものだ!」「自分の人生は重要だ!」「自分の行動や人生は、世界に良い影響を与えている!」みたいに感じられれば、実存的な意義を感じている言えましょう。
こうして見ると、いずれも「いかにも重要だろうなー」って感じになってますねぇ。もしいまの時点で「人生の意味を感じられない!」と思うなら、上記の3要素にわけて現状をチェックしてみるといいかもですね。
ちなみに、ここでポイントになるのは、以下のようなところです。
- 頭では「人生に意味はない」と思っても、主観的に「自分の人生には意味がある!」と感じられる状態は十分にありえる(つまり、理性の問題ではない)
- 頭では「有意義な活動をしている」と思っても(ボランティアや教育など)、人生全体が有意義でないと感じてしまうことは十分にありえる。
ここらへんは間違えやすい点なので、ぜひ注意しておきたいっすね。「人生の意味」はあくまで主観的なものなので、脳内での思考とはまた異なるところがあるんですよね。
でもって、いまの自分の「人生の意味」が気になる方は、さらに以下のエントリも参考になるでしょう。