「人生には意味があるなぁ」と思える人は寿命が伸びるぞ!という観察研究の話
https://yuchrszk.blogspot.com/2019/06/blog-post_98.html
「『自分の人生には意味があるんだ!』みたいな感覚って大事よねー」といった話を近年の心理学界でよく聞きまして、これを持ってる人は睡眠の質がいいなんてデータもあったりします。まぁ普通に考えても、毎日が無意味だと思ってたらツラいっすよね(ゴリゴリの仏教徒とかは別なのかもですが)。
で、新しいデータ(R)は、「人生の意味で寿命が伸びるよ!」というさらに良い話になってました。
これはミシガン大学などの研究で、1992年からスタートしたHRSって有名なデータセットを使ったもの。定期的に参加者の健康状態やメンタルの健全さをチェックし続けた調査で、今回は50オーバーの男女6,985人の回答をもとに「人生の意味と寿命」について調べてくれております。
HRSでは、参加者の「人生の意味感覚」を調べるために、たとえばこんな質問をしてます。
- 未来の計画を立ててその実現に努力するのが好きですか?
- 日々の活動はあなたにとって重要だと感じられますか?
すべての答えは6点満点で採点されていて、各自の「人生の意味スコア」を割り出したんだそうな。
今回のデータは2006年からスタートしまして、そこから5年後に再調査をしたところ、すでに命を落としていた人の数は全部で776名。そこで、彼らの「人生の意味スコア」をチェックしたら、次の傾向がわかりました。
- 人生の意味スコアが低い人は、高い人に比べて早期死亡率が2倍も高い! (HR, 2.43; 95% CI, 1.57-3.75)
この結果を出すにあたっては、もちろんメンタルの不調の有無といった要素は調整されてまして、それでも2倍の差が出たってのはなかなかすごいですねー。ちなみに、心疾患による死亡率だけに絞ると、この差はさらに広がるみたい。
参考までにグラフを引用しとくとこんな感じ。一番上の黄色い線が「人生の意味スコアが満点だったグループ」で、年齢ごとの生存確率を示しております。
いやー、これは割とハッキリした差が出ましたねぇ。もちろん、今回の論文は観察研究につき「元気な人ほど人生の意味を感じるのでは?」って経路も否定はできんのですが、先行研究なんかを見てても、日々の暮らしに目的がある人ほどストレスが低いのは間違いなさそうですからねぇ。
事実、近年ではメンタルの不調と体調不良の関係がハッキリしてきましたし、人生の意味感がストレスを減らして、体内の炎症改善に役立ってる可能性は否定できんよなーとか思うわけです。まぁ、とりあえず持っといて損はないですよね(なんか資格とか検定の話をしてるみたいになってますが)。
ちなみに、「そもそも人生の意味ってどんなこと?定義は?」といったところが気になった方は、「「人生の意味」を感じるために欠かせない4つの要素」などもあわせ読みしていただくといい感じです。どうぞよしなに。