定番スパイスの「シナモン」で体脂肪が減るぞ!というメタ分析の話
現時点では「これ!」といったダイエットサプリはなかなかないのが実情ですが、「もしかしたら効くかも?」と言われてきたのがシナモンであります。
シナモンといえばお茶やお菓子に使うイメージが強いですけど、実はいろんなファイトケミカルが入ってまして、
- ケイ皮酸
- シンナムアルデヒド
- オイゲノール
- クマリン
と言った成分に炎症を鎮める働きがあるんですよ。平凡なスパイスに見えて、実際はなかなかの実力者なんですな。
加えて、シンナムアルデヒドにはヒトの脂肪細胞に働きかけて熱産生をする作用も知られてたりします(R)。つまり、シナモンを取ると脂肪が燃えやすくなるんじゃないか?と考えられるわけで、いかにも肥満対策に効きそうな雰囲気を漂わせてるんですよね。
ってことで新しいデータ(R)は、シナモンのダイエット効果をガッツリと調べた内容になります。具体的には過去のシナモン研究から12件をまとめたメタ分析になっていて、信頼性はそこそこ高めでいい感じです。
まずはデータの内訳をメモしとくと、
- トータルのサンプル数は786人でみんな肥満体(BMIが27.6 〜 33.6)
- 実験期間は8〜16週間のあいだ
- シナモンの量は1日平均1.5g(1回500mg × 3)
って感じでして、体重、BMI、体脂肪率にどんな変化が出るかをみております。
では、以下に結果です。
- シナモンを飲むと、平均でプラシーボより-1.02kg体重が減り、BMIは-0.51下がり、ウエストは-2.4cm細くなり、体脂肪率は-1.02%下がる!
ということで、なかなか悪くない成果ではないでしょうか。いちおうサブグループ分析の結果も載せておくと、
- BMIが30以上の人ほどシナモンで体重が減りやすい(-1.93 kg)
- 50歳以下のほうがシナモンで体脂肪率が減りやすい(-1.19%)
みたいになってます。やっぱ若くて肥満レベルが高い人ほどシナモンのメリットを得やすいみたいっすね。
そんなわけで「シナモンっていいんじゃない?」って気がしてきましたが、今回のメタ分析はあくまで肥満の人しか対象にしてないんで、そこらへんはご注意ください。果たして標準体重の人が飲んだ場合に肥満リスクを下げられるかはよくわかりませんので。
とりあえずシナモンを試したいって方は、今回のデータによれば、
- 1日2gのシナモンを12週間以上は続ける!
ってのを守ると効果が最大化されるようなんで、参考になさってください。ただし注意点としては、シナモンにふくまれるクマリンは肝臓によくないことが昔からわかってまして、そこらへんは気をつけたいところです。
クマリンの含有量はシナモンによって変わりまして、シナニッケイ(Cinnamomum cassia)は割と多め(R)。一方でセイロンシナモン(Cinnamomum zeylanicum)はクマリンが少ない傾向がありますんで、お買い求めの際はくれぐれもご留意ください。