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最強の運動サプリ【クレアチン】でメンタルも改善するのでは?説

 


 

長らく当ブログをお読みの方ならおわかりのとおり、私は「大半のサプリって意味ないよなぁ……」とか思ってるわけです。もちろん、特定の栄養素が足りない場合なら意味はあるんでしょうが、普通に暮らしてたらサプリはほぼ不要なんですよね。

 

 

が、そんな状況下、個人的に推している数少ないサプリがクレアチンであります。こいつは、おもに運動用に使うサプリで、筋肉の主要なエネルギー源であるアデノシン三リン酸(ATP)を補充してくれまして、そのおかげでエクササイズのパフォーマンスが高まり、筋肉の回復スピードも早まるってデータはかなり多いんですよ。

 

 

クレアチンは粉末状で販売されており、わりと安く手に入り、推奨摂取量であれば安全性が高く、運動能力の向上、疲労の回復、ケガの予防なども期待できますし、 私のように定期的に運動をしているような人であれば、使ってみて損のないサプリのひとつではないでしょうか。なかでもクレアチンで疲れにくくなるって証拠は多いので、特に重いものをガッツリ挙げたり、スプリントのような瞬発運動をよく行うような人には便利でしょう。

 

 

でもって、近ごろクレアチンについてよく聞くようになったのが、「メンタルの改善にも役立つのでは?」みたいな話です。

 

 

というのも、クレアチンってのは筋肉だけでなく脳内にも多く存在してまして、そのためクレアチンを多く摂取することで頭の働きにもメリットがある可能性はわりと高いんですよ。最近ではヒトを対象とした実験も行われてまして、ざっくり主だったものをまとめておくと、以下のようになります。

 

  • 45人のベジタリアン(=体内のクレアチンが少ない)を対象とした二重盲検プラセボ対照試験では、1日5グラムのクレアチンを6週間飲んでもらったところ、ワーキングメモリと知能(レーヴン漸進的マトリックスで計測)テストの成績が激しく向上したとのこと。

 

  • 韓国で行われた8週間の研究(R)では、52人の女性を集め、抗うつ薬のみか、抗うつ薬+クレアチンのどちらかを飲むように指示。すると、研究が終わった時には、クレアチンを飲んだグループの女性の半数がうつ病が改善し、抗うつ剤だけを飲んだグループに比べ2倍の成功率を記録した。

 

  • クレアチンと脳の働きを調べた系統的レビュー(R)では、6つの過去研究(281人)におけるデータをまとめたところ、クレアチンを飲むことで、短期記憶と知能/推論の機能が改善する可能性が見られた。ただし、若年者や肉をよく食べる人だと、クレアチンを飲んでも意味がないかも?とも言える。おそらく、私のようなおっさんやストレスに弱い人であれば、クレアチンの認知改善メリットを享受できるかも

 

  • 20歳以上の男女22,692人の健康データを分析した調査(R)では、クレアチンをよく摂取している人たちと比べて、ほとんど消費してない人は、うつと診断される確率が31%も低かった。

 

まだ小規模だったり、観察研究だったりするのが難点ながら、どれも期待の持てる結果になっていてよろしいのではないでしょうか。

 

 

ちなみに、最後の観察研究だと、「クレアチンをよく摂取している人たち」は1日あたり約1gのクレアチンを食事から取ってたそうで(最低グループは1日0.15g)しか摂取していなかったとのこと。研究チームは、クレアチンが脳のエネルギー代謝と能力を高めてるのかもなーと言っておられました。

 

 

もちろん、これでクレアチンはメンタルにも良い!とはまだ言えないんだけど、いまんとこ1日30グラムまでなら長期的(少なくとも5年間)は安全に摂取できることが分かってますし、手頃な価格で安全なサプリですし、やはりいろんなメリットはありそうだよなー、とか。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。