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寿命がガンガンに伸ばすには「ゲイン・メンタリティ」が超大事!という話

 


 

不老長寿メソッド」では、「老いへのネガティブイメージを捨てようぜ!」なんて話をしております。老化すると体も頭も衰えていいことないよなーとか考えていると、実際に老化しちゃう可能性があるもんで。

 

 

これは、過去にも結構な数のデータで実証された話なんですが、新たにグライフスワルト大学などが行ったテスト(R)では、「老いへのネガティブイメージ問題」をさらに深堀りしてくれております。

 

 

で、ここで研究チームがどんなことを考えたのかと言いますと、

 

  • 歳を取って「失うもの」より、「得るもの」に注目するのが大事なんじゃない?

 

ってポイントです。当然ながら、「老化はすばらしいものだ!悪いことなんてなにもない!」みたいに思い込むのは現実的じゃないので、肉体の衰えが起きるのは仕方ないとあきらめて、年を取ることで得るもの(「人生経験の深さ」とか)に意識を向けるのが重要なんじゃないか?みたいな考え方です。失ったものを「嘆く」よりも、得たものを「祝う」ようにしようぜ!ってことですね。

 

 

ということで、研究チームは、40歳から85歳までのドイツ人2,400人以上に協力をお願いし、その後23年間にわたって追跡調査を実施したデータセットを利用。みんなに「自分を主観的にどれぐらい若いと感じますか?」や「年を取ることのメリットとデメリットをどう思いますか?」などと尋ね、それを全員の病気や死亡率などと比較したんだそうな。

 

 

そのうえで、すべてのデータを分析したところ、結果はこんな感じになりました。

 

  • 「加齢は損失だ!」という観点から見ていた人よりも、「加齢は得るものが多い!」という観点から見ていた人のほうが、長生きする傾向があった

 

  • 予想に反して、主観的な年齢は説明的な役割を果たさなかった。要するに、「自分の年齢は実際よりも若い!」と感じていても、寿命にはあまり影響がない

 

ってことで、主観的な若さはさほどアンチエイジングには関係がなく、実際に重要なのは「年を取ることのメリット」に目が向かっているかどうかなのではないか、と。研究チームは、この考え方を「ゲイン・メンタリティ」と呼んでおります。

 

 

さらにくわしくデータを見てると、「加齢は損失だ!」って考えの人は、「加齢は得るものが多い!」って人よりも、20年後の死亡率が約2倍も高かったみたい。これはすごい数値ですねぇ。

 

 

また、「加齢は得るものが多い!」と考えるかどうかのメリットは、中高年者にも当てはまるとのこと。どんな年齢でもゲイン・メンタリティには大きな意味があるのだってことですね。確かに「年を取るのは嫌だなぁ……」と思ってるよりは、「年を取ると経験が増えるし自由なお金も増えるな!」ってとこにフォーカスしたほうがいいのは間違いないですもんね。

 

 

ちなみに、ゲイン・メンタリティを持っている人というのは、

 

  • 年齢を重ねたからこその経験が増えたぞ!知識やスキルも多いぞ!
  • 昔のこともよく知ってるし、幅広い質問に答えられる能力があるぞ!

 

みたいなポイントにフォーカスしてるケースが多かったとのこと。もちろん、このような大規模な研究はすべて平均値に基づいているので、ゲイン・メンタリティだからといって、必ずしも寿命が伸びるわけではないのでご注意ください。とはいえ、若さの喪失を嘆くよりは、年を取るにつれて得られる経験や知識に注目したほうが実りが多いのは確実なので、私も心がけて生きていきたい所存です。 

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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