「人生の成功」に必要なのはIQか、それとも性格の良さか
IQと性格はどっちが大事？
科学の世界では、昔から「人生の成功に必要な要素はなに？」って問題に関する研究が行われております。ここでいう「成功」は金銭的な裕福さだけでなく、メンタルヘルスや身体の健康もふくめた概念です。
この問題についてはまだ統一見解はないものの、わりとよく言われるのが「IQ」と「性格」の２つ。知能指数に「誠実さ」や「セルフコントロール能力」といったパーソナリティの要素が合わさって、生涯の成功レベルが左右されるみたいなんですな（もちろん「運」も大事ですが）。
となると、続いては「IQと性格はどっちが大事なの？」って疑問が出てくるわけですが、そのへんを調べた面白い論文(1)が出ておりました。
性格のほうが格段に大事
これは、計量経済学の大家であるジェームズ・ヘックマン教授の研究で、イギリス、アメリカ、オランダの３カ国で数十年にわたって採取された４つのデータセットを使ったもの。いずれも、数万人を対象に子供時代のIQや性格（ビッグファイブ）、収入などを十数年にわたって記録した、定番の統計データであります。
そこでどんな結果が出たかは、以下のグラフをご覧ください。
まー、どの分野においても、見事に「性格」のほうが大事って結論が出ております。唯一、IQと健康レベルの関係が際立ってますが、これも「IQが15ポイント上がると21％長く生きられる」っていう過去のデータと合ってますね。
もちろん、IQが高いほうが有利ではあるんだけど、こと仕事の世界においては、IQテストでは計測できない要素のほうが重要らしい。いくら認知機能が高くても、締め切りを守らなかったり、対人関係がうまくいかなきゃ意味がないですもんね。
人生の性格に必要な性格のトップツーとは？
研究者いわく、
性格テストの結果を使えば、IQテストよりも、学力テストの点数と学校の成績をうまく予想できる。（中略）さらに、IQと性格テストを同時に使えば、さらに予想の精度は上がる。
とのこと。ちなみに、ここでいう「人生の成功に必要な性格」がなにかと言えば、
- １位 誠実さ：勤勉さ、忍耐、自制心などを表す指標
- ２位 開放性：好奇心の高さ、想像力などを表す指標
がワンツーフィニッシュを決めております。まぁ、大人になってから特定の性格を鍛えられるかどうかはよくわからんですけど、とりあえず「成長マインドセット」を育むことはできそうなんで、やれることをやっとくとよさげ。
