心の病気は免疫の病気でもあるのだ!という北ノルウェー大学病院の話
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「鬱は単なる心の病ではない!全身性の病気として考えるべきだ!」といった考え方が一般的になりつつある昨今でございます。メンタルが不調な人は明らかに体調を崩してるケースが多いんで、ちゃんと体の病気としても治療しようぜ!ってことですね。
そんな状況下、新たに「心の病気は免疫の病気でもあるのだ!」ってデータ(R)が出てて勉強になりました。
これは北ノルウェー大学病院の研究で、メンタルの病気に悩む高齢者81人を対象にしてます。参加者の病気はうつ病が多くて、抗うつ剤や精神安定剤の治療を続けている人だけを選んだそうな。
で、研究ではみんなのメンタルがどれだけ不調を起こしてるのかを専用の質問紙(MADRSとか)やインタビューでチェック。これに加えてみんなの血液検査を行って、体内の炎症マーカーを調べまくってます。インターロイキンとかTNFとか、そのへんっすね。
要するに、研究チームは「メンタルの不調は免疫システムと深い関わりがあるのでは?」と考えたわけで、近ごろよく言われる「鬱は脳の炎症が原因だ!説」に近い内容になってますね。
その結果、どんなことがわかったかと言いますと、
- みんなメンタルを治療している最中には、体内のサイトカイン(炎症物質)が減少していた!
だったそうです。簡単に言えば、メンタルの改善と体内の不調が連動してるってことですね。
研究チームいわく、
メンタルを病んだ高齢者には、高い確率でサイトカインの変化が見られる。これはおそらく体の不調が積み重なったことによるものだろう。高齢者は一度に2つ以上の慢性病にかかっているケースが多く、65–74歳の段階でその割合は60%以上にもおよぶ。
とのこと。高齢者は複数の慢性病によってサイトカインが増え、これがメンタルの不調を引き起こすんだ、と。
では、なんでこんなことが起きるのかと言いますと、
免疫システムと脳の神経系は、似たような物質を使って情報のやり取りを行っている。免疫システムはサイトカインを使い、脳は神経伝達物質を使うが、これらの物質は構造がよく似ている。
つまり、免疫システムと脳の神経系は、明確に分かれた2つのシステムというわけではない。免疫システムが使うシグナルは神経系にも伝達されるし、そのまた逆の経路もあり得る。
このあたりはまだ知見が足りない分野だが、感情のバランスを正常に保つ行為は、免疫システムに良い影響をあたえるだろう。
ってことで、そもそも人体は脳と免疫が同じような物質でコミュニケーションを取ってるんで、2つが影響をあたえ合うのは当たり前だ!ってことですね。
もちろん、思考を変えるだけで癌や関節炎がよくなるるわけではない。しかし、ポジティブな態度が病気を良い方向に導いてくれるのは確実だろう。
「考え方を変えれば癌が良くなる!」ってことはないものの、ポジティブな気分であれば体内の炎症も減り、本人の辛さはかなりやわらぐのではないかと思う次第です。こりゃ大事なポイントですなぁ。