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グーグル社員5万人の「10人に1人」が実践する最先端の瞑想プラクティス

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「グーグルのマインドフルネス革命」を読みました。グーグル人材開発部門のビル・ドウェインさんへのインタビューをベースに、その合間にマインドフルネス瞑想のメリットや脳への影響なんかの解説がはさまった構成になっております。

 




 

グーグル社内には31カ所の瞑想スペースが

本書によれば、グーグル社員の10〜15%は「サーチ!」で紹介された瞑想コースや、「脳科学は人格を変えられるか?」でイチオシされていた「マインドフルネスストレス低減法」に参加しているとか。

 

 

また、グーグル社内には31カ所の瞑想スペースがあり、社員たちは「ヘッドスペース」って瞑想アプリで日常的に瞑想を行ってるそうな。ヘッドスペースは、わたしも一昨年ぐらいに有料コースを試したことがあったんですが、かなりよくできたプログラムでして、おかげで瞑想を習慣づけるのに役立ったもんです。

 

 

で、そこまでグーグルが瞑想を推す目的は

 

  • 自己認識力
  • セルフコントロール力


の向上がメイン。仏教とかだと、「能力の向上」はあくまで副作用レベルの扱いでして、「無我を実感して人生の苦を捨てる!」ってのが瞑想の主目的なんですが、そこまではフォローしないわけですね。

 

 

実際、「無我」や「苦」といった仏教ワードもほぼ出てこないし(「慈悲」は少し出てくる)、できるだけ宗教性を排除してハードルを下げるのがグーグルのやり方らしい。このあたりは「ただの副作用に過ぎないものを、メインの効能としてあつかっている!」みたいな批判も出てきそうではあります。

 

 

グーグル流の瞑想プラクティス

でもって、ドウェインさんが教えてくれるマインドフルネス瞑想の方法は、以下のような感じ。

▼1:身体に気づくプラクティス

  1. リラックスしてイスに座る。自分の背骨が旗の支柱で、身体が旗になったようなイメージを浮かべる。
  2. 自分の意識のスポットライトを身体に向け、身体の重さを意識する。
  3. 目を閉じる。
  4. 意識のスポットライトが身体から離れたら、イスの上の身体の物理的な感覚にそっと戻す。
  5. 痛みなどの不快感が出てきても、その感覚を興味を持って観察していく。

 

▼2:呼吸に気づくプラクティス

  1. 次に呼吸に意識を向ける。鼻の穴、お腹、胸など、自分が呼吸を感じやすい場所ならどこでもOK。
  2. しばらく、ただ呼吸を観察する。
  3. 意識が呼吸を離れたら、そっと呼吸に意識を戻す。

 

▼3:慈悲のプラクティス

  1. 自分が今日出会った人のなかで、楽しい会話をした人を思い浮かべる。誰にもあってなければ、過去にさかのぼってもOK。
  2. その人を思い描きつつ、次の言葉を言う。「この人は、心と体を持っています。わたしと同じです。気持ちや感情、考えもあります。わたしと同じです。悲しんだり、がっかりしたり、怒ったり、混乱したりすることがあります。わたしと同じです。人生で肉体的、心理的な苦しみを経験しています。わたしと同じです。人生で喜び、幸せ、愛を経験しています。わたしと同じです。この人は、幸せになりたいと思っています。わたしと同じです。この人が幸せでありますように」
  3. 目を開ける。


いずれも、仏教で行われる定番の瞑想法が、コンパクトにまとまってる感じですねー。このほかにも、

 

  1. 下のような「一時停止マーク」をスマホやパソコンに貼っておく

    Button 309039 1280
  2. スマホをチェックしたくなったら「一時停止マーク」を見て、マインドフルに深呼吸をする
  3. 「レジ待ち」のような待ち時間が発生したときも、「一時停止マーク」を見て、マインドフルに呼吸をしてみる。


といった日常で使えるプラクティスも紹介されてました。これもおもしろいなぁ。

 

 

さらに本書の後半には、「ヘッドスペース」のアンディー・プディコムさんによる初心者向けの瞑想プラクティスもついております。ヘッドスペースの瞑想ガイダンスを日本語で実践できる資料は他にないんで、なかなか貴重なんじゃないでしょうか。

 

 

ちなみに、添付CDのトラックは以下のような感じ。

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「ヴィジュアリゼーション」なんかは、他のマインドフルネス瞑想の本ではあまり出てこないんですが、真言宗の阿字観に似ていて楽しいです。何も考えずに座ってるのが苦手な方にはよろしいのではないかと。


まとめ

そんなわけで、 「グーグルのマインドフルネス革命」は、細かな編集が行き届いた良書でして、「マインドフルネス瞑想を知る最初の一冊」として広くオススメできそう。これで瞑想が好きになってきたら、続いて「サーチ!」なんかを読んでみるといいかもですが、残念ながらいまは在庫がないみたいなんで、「マインドフルネスストレス低減法」か「4枚組のCDで実践する マインドフルネス瞑想ガイド」あたりにガッツリ取り組んでみるのもアリかも。



さらに、グーグル社のチャディー・メン・タンが言うような「哲学的な段階」が気になるなら、グナラタナさんの「マインドフルネス」「マインドフルネスを越えて」の2冊か、ローゼンバーグさんの「呼吸による癒し―実践ヴィパッサナー瞑想」あたりが激しくオススメです。


 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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