極度の人見知りは免疫システムが暴走してるからだ!説
「コミュ障って免疫システムの不調が原因じゃない?」って説(1)が ネイチャーに出てまして、これが超おもしろい。免疫が弱くてコミュ障ぎみなわたしには、とても参考になりました(笑)
わざとマウスの免疫システムを狂わせてみたら…
これはヴァージニア大学のジョナサン・キプニス博士による実験。キプニスさんは、2015年の夏ごろに「実は脳と免疫システムは直につながってたよ!」って大発見(2)をして有名になった人であります。
というのも、それまでは脳と免疫システムは完全に分離していると考えられてまして、おたがいにほとんど影響はしてないってのが定説だったんですよ。
ところがキプニスさんが脳と免疫システムをつなぐ経路を見つけたもんで、「免疫システムはヒトの性格とか精神病にも影響してるかも!ヤバい!」って話になってきたわけです。ワクワクしますなぁ。
で、新しく行われた実験では、マウスたちのT細胞をわざと取り除いてみたらしい。T細胞は免疫システムのコントロールセンターみたいな存在で、こいつがないと免疫系が成り立たないぐらい大事な存在であります。
免疫が狂ったマウスはコミュ障に
その結果、どんな変化が出たかと言いますと、
- 脳の前頭前皮質が激しく活性化しはじめた
- ほかのマウスを避けるようになった
みたいな感じ。免疫が狂ったマウスは脳が暴走をはじめ、極端な人見知りになってしまったらしい。
ちなみに、前頭前皮質は対人コミュニケーションに必要なエリアで、適度に活性化してないはコミュ障になりがちだと言われております。不思議なもんで、免疫の活動と人見知りが連動してるわけですな。
この現象について研究者いわく、
生命が生きのびるためには、社交的でなければならない。食料を集めたり、生殖を行ったりするには、仲間との協調が必要だ。
しかし、生命体がひとつの場所に固まれば、病原菌がひろまるリスクも高まる。社交性は必要だが、病気にかかる可能性も大きくしてしまうのだ。
とのこと。つまり、ついつい他人を遠ざけてしまうのは、集団内での感染リスクを下げるために、進化の過程で生まれた適応システムなんだ、と。
さらにざっくり言うと、
- 免疫システムに不調が起きる
- 脳が「病気になっちゃうぞ!」とパニックを起こす
- 脳から「菌が広がらないように他人を避けろ!」と命令
- コミュ障の誕生!
みたいな話です。おもしろい仮説ですねぇ。
もちろん、これはまだマウス実験の段階ですし、一般的なコミュ障にまで当てはまるかどうかは不明ではあります。が、とにかく脳と免疫システムが密接に関わってるのは間違いなさそうなんで、免疫によさそうなことはすべてやっておくのが吉かと思います。