人生の成功に欠かせない「待つ能力」と「待つ欲求」を高める10の方法
https://yuchrszk.blogspot.com/2022/06/10.html?m=0
このブログでは、セルフコントロールは大事!鬼大事!という話をさんざんしてましております。人生ってのはしばしば、「報酬は小さいがすぐ手に入る」と「報酬は大きいがなかなか手に入らない」って選択のせめぎ合いでして、たいていは前者を選び過ぎて失敗するんすよ。
たとえば、
- メシを食うかダイエットするか
- 遊ぶか勉強するか
- 好きなものを買うか金を貯めるか
みたいな話でして、すぐ手に入る報酬を選ぶことが必ずしも悪いわけではないものの、いつも手近な報酬ばっか選んでたらヤバいことになりますわな。
で、新しいレビュー(R)では、「なんで人間はセルフコントロールが苦手なんですかねぇ?」って問題をあらためてチェックし、過去の文献から具体的な理由をチェックしてくれたんですよ。シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスの先生方による仕事で、これは非常にありがたいですねぇ。
でもって、まず大きな結論から申し上げますと、
- 自制心や忍耐力が発揮できない人には、大きく2つのパターンがある。ひとつは「待つ能力がない」で、もうひとつは「待ちたいという欲求がない」というものである。
- これら2つの能力は、状況によって必要なものが異なり、ある状況下では「待つ能力」が要求され、またある状況では「待ちたいという欲求」が必要になる。うまくセルフコントロール能力を発揮するには、両方の能力を発達させ、どちらが必要なのかを状況によって見極めねばならない。
みたいになります。時間がかかる報酬を待つ能力がないってのはわかりやすいですが、「そもそも待ちたい欲求がない」とこに注目してるのは、わりと見過ごされやすいポイントかもしれないですね。
以上の2大能力を抽出したうえで、先生方は「どちらのスキルも鍛える方法があるんだぜ!」と主張して、過去の調査で効果が確認されたものもピックアップしてくれております。こちらも非常にありがたいですなぁ。簡単に紹介しておくと、以下のような感じです。
1. 待つ能力を高める6つの方法
- 気をそらす:ダイエット中にお菓子を食べたくなったら、ゲームをする、音楽を聴く、漫画を読むなど、自分自身が楽しめることをやって、気を紛らわせる方法。めちゃくちゃベタだが、実はもっとも有効度が高い方法でもある。
- ストレス下で決断しない:喉が渇いている、疲れている、体が痛いなど、欲求不満の状態では大きな決断をしない。そうしないと、手っ取り早く報酬が得られるものへの、抵抗力が弱くなってしまう。
- 事前に約束する:「もし何らかの誘惑に直面したら、より大きな後の報酬を待つ!」と決めておく(要するにイフゼンプランニング)。バカみたいな手法だけど、これがバカにできないぐらい効く。
- リマインダー:より大きな報酬を得るために必要なステップを、リマインダーに書いておく。これをやっておかないと、ふいに短期的な報酬が現れたときに手を出したくなってしまう。
- ポジティブな気分を保つ:研究によると、悲しい時よりも嬉しい時の方が、長期的なゴールに向かって我慢しやすくなる。
- とらえ直し:魅力的ものを、あえて魅力的でないかのようにとらえ直す方法。たとえば、ダイエット中にポテチが食べたくなったら、「糖質だらけの食材を高温で揚げて老化物質たっぷりな食べ物」のように考え直す。
2. 待ち望む気持ちを高める4つの方法
- 選択する前に待つ:たいていの人は、小さいが早く手に入る報酬と大きいが遅くにしか手に入らない報酬のどちらかを選択する前に待つと、その選択肢に感謝 するようになり、その結果として忍耐力が増す傾向がある。たとえば、レストランに行く前に自宅でメニューを見ておくと、レストランについてからメニューを見た場合よりも、料理の提供を待つことができる傾向がある。これは、待つことで報酬の価値が高まったからである。
- 確信と信頼のレベルを上げる:当然ながら、どんなに我慢をしても「より大きな報酬が得られる!」と確信しておけば、待とうとする気持ちは強くなる。なので、たとえばダイエットをする際に、「カロリーさえ減らせば確実に体重が減る」事実を示したデータを定期的に確認する、などが考えられる。
- 未来の自分とのつながりを強める:10日後や10年後といった未来の自分との結びつきを強くする作戦。具体的には、「老け顔アプリ」を使ったり、「このまま何もしなかったら10日後の自分はどうなるか?」を細かくイメージしていくといった手法がある。
- 選択肢の枠組みを変える:遅くならないと得られない報酬を、より価値のあるものに見えるようにする方法。たとえば、「いま1000円をもらうかか、後で2000円をもうらうか」という選択肢がある場合は、「いま1000円をもらってあとで0円をもらうか。それとも、いま0円をもらって、後で2000円をもうらうか」といった感じで言いかえてみる。当然、後者のほうが待つ気持ちを高めることができる。
ってことで、効果が認められた「待つ能力」と「待ちたい欲求」を高めるための手法でした。とりあえず、普段の意思決定では「待つ能力を高める方法」を使い、そもそもモチベーションがわかないときに欲求を高める手法を使ってみるといいかもですねー。