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「運動がいつも三日坊主になってしまう!」を解決するベストな対策とはなにか?


運動が続かない!」って悩みは誰にでもございましょう。ジムに入っても続かなかったり、ランニングを習慣にしようと思ったのに三日坊主で終わったりと、そんな悩みですね。

 

 

この定番の問題をどうすればいいのかということで、「自分を変える方法」でおなじみのケイティ・ミルクマン先生などのチームが、めちゃくちゃ大規模な研究(R)を行い、「本当に効く運動の三日坊主対策とは何か?」を深堀りしてくれておりました。

 

 

これは、ミルクマン先生らが「24アワーフィットネス」という有名ジムチェーンと共同で行った試験で、このジムに参加している61,293人の会員さんを対象にしてます。運動と三日坊主に関する研究は過去にもありましたけど、ここまで大規模なものははじめてですね。これぐらい規模が大きいと、いわゆる「リンゴとオレンジを比べる」現象が起きないので、より精度が高い答えが望めるのがすばらしいですなぁ。

 

 

実験の概要を簡単にまとめると、

 

  1. 会員に28日間のワークアウト報酬プログラムへ参加してもらう

  2. その際に、過去の研究で「運動を習慣にするために役立つ」と報告された54の戦略をテストする

  3. 最後にみんながどれだけ運動を習慣化できたかをチェックする

 

みたいになります。ここで使われた「54の戦略」は割愛しますが、たとえば「定期的にリマインダーを送る」とか「週1回ずつエクササイズの進捗メールを送る」「ジムに行ったらお金がもらえる」のような感じでして、いずれも4週間のジム通いを継続させることを想定して設計されております。

 

 

そこで、まずは4週間後の大きな結果から見ていきますと、

 

  • 54の戦略のうち、半数弱(45%)は、参加者の毎週のジム通い回数を増加させる上で有意な効果があった。
  • しかし、ちゃんと活用できるレベルで行動の変化を引き起こしたのは、8%のプログラムのみだった。

 

とのこと。「三日坊主に効く!」と言われる方法はたくさんあるものの、実際に使う価値があるのは全体の8%程度かもしれないんだ、と。これは重要な知見ですねー。

 

 

で、このテストで「良い結果を得ることができた」戦略は、以下のようなものでした。

 

  • もっともベーシックな戦略は、参加者がジムに行くたびに300ポイントの報酬を与えるというもの(アマゾンで30円ぐらいの価値)。これだけでも、ジム通いが9%増加した。

 

  • 最もジム通いを増やしたプログラムは、上記のベーシックな戦略に加えて「復帰報酬」を渡すというものだった。これは、1回エクササイズの予約をサボった会員が、もしそのあとですぐに新たなエクササイズに復帰できた場合には、125ポイントの追加報酬を提供するというもの(アマゾンで8円ぐらいの価値)。この戦略により、ジムへの来場者数は27%増加した。

 

  • 次に高い増加率(25%)を示したのは、上記のベーシックな戦略に加えて、ジムに行くごとに約2ドルを獲得できるというものだった。

 

  • また、上記のベーシックな戦略に加えて、「アメリカ人の大半は近ごろ運動をしますよ!しかも、その数は年々増えているんです!」と伝えるやり方も効果的だった。この戦略を浸かった場合、ジムへの来場者数は24%増加した。

 

ということで、最も効果的な戦略は、エクササイズをサボった後に、できるだけ早くジムに戻れた参加者に報酬を与えるというものだったそうな。確かに、いったん運動をサボると「もういいや!」って気分になって、一気に習慣が崩れちゃうものですからね。

 

 

ちなみに、ミルクマン先生によれば、上に挙げた戦略のほかにも、

 

  • ジム通いの計画を明確に立てる(何月何日の何時にジムに行く、とカレンダーに入れておく)

  • 運動予定の直前にテキストリマインダーを送信する

  • お気に入りのポッドキャストやオーディオブックと一緒に運動をする(いわゆる「誘引バンドル」ですね)

 

なども効果が高いものとして認められているとのこと。自分への報酬に加えて、これらも組み合わせて使うことで、さらに効果がブーストするかもですな。いずれにせよ、自分に与える報酬は8円〜30円ぐらいの小さなもので十分らしいので、試してみる価値はかなりあるでしょうね。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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