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身につけるだけでストレス激減!頭も良くなる!と噂のガジェット「タッチポイント」を試す男



タッチポイント(TOUCH POINTS)」という珍妙ガジェットを買ったので、概要をメモっておきます。お値段は179.99ドルで、公式サイトから個人輸入しました。

 

 

こいつがどんなガジェットかと言いますと、公式サイトでは、こんな感じで説明されてます。

 

ストレスを感じ始めたら、タッチポイントを、ストラップや靴下、ポケットにつけたり、手のひらに乗せたりして、体の左右にセットしてみてください。

 

タッチポイントは優しく振動し、あなたを落ち着かせ、集中力を高め、睡眠を助け、パフォーマンスを向上させます。

 

ということで、体に適度な振動刺激を与えて、ストレスをやわらげるタイプのガジェットになってます。2021年に買った「アポロニューロ」と同じようなガジェットですね。

 

 

ガジェットの作りは超シンプルで、1990年代のおもちゃを思わせるチープさが漂っております。心拍変動や体温を読む機能などは一切ついておらず、ガジェットをコントロールするためのアプリもなし。コストを落としたぶんだけ、低下をかなり下げているわけですな。

 

 

タッチポイントは2個ワンセットになっていて、両方を左右の手首や足首に巻いて使います。

 

 

あとは中央のボタンを押すと、スマホのバイブよろしく本体の振動がスタート。これを1回20分、1日2回ずつ行うだけでストレスが緩和されるなそうな。

 

 

パっと見はめちゃ怪しく感じられますが、こういった触覚刺激(振動)技術にはそれなりの知見がたまっていて、そんなに根も葉もない話ではなかったりします。事実、タッチポイントの研究ページ(R)には、19の学術研究が掲載されてたりしますしね。

 

 

で、これらのデータをチェックしてみた感想としては、

 

  • やっぱり触覚刺激ってのは、ストレスや不安の軽減、記憶の増強に効果がありそうだよなー。
  • タッチポイントも、ストレスや不安の軽減に効果があるっぽいけど、論文(R)が査読されてないし、タッチポイントがスポンサーになってる単一の三重盲検プラセボ対照無作為化試験から得られたものなんだよなぁ……。

 

ってとこですね。タッチポイントの有効性を裏づける研究は、すべて同社が行った少規模な試験しか存在しないので、信頼度はわりと低めだといえましょう(もしこれがサプリの研究だったら商品を買わないレベル)。

 

 

あと、この手のガジェットにありがちなんですが、研究ページに掲載されているデータの中には、タッチポイントとは直に関係がない調査も多く、「水増ししてますなぁ!」って印象はまぬがれないところです。

 

 

まぁここらへんのノイズを考えると、私のような物好きにしかおすすめできないガジェットではありますが、個人的に「試してみる価値があるだろう」ぐらいに判断した次第です。サプリと違って大きな副作用とかもないでしょうし。

 

 

ってことで、以上をふまえたうえで、タッチポイントをしばらく使ってみたところ、

 

  • うーん、イケてるような気がする……。

 

ぐらいの感想を持ちました。私は、タッチポイントを主にストレスが激増したときに使ってまして、

 

  • 原稿が進まない!ヤバい!
  • 運動しすぎた!ヤバい!
  • 無闇に仕事を引き受け過ぎた!ヤバい!

 

といったときに着用して、どんな変化が出るかを試してたんですよ。すると、タッチポイントを装着して数分後にはなんとなく気分が落ち着きまして、いつもよりリカバリーが早まった気がしたんですよね。

 

 

もちろん、これは個人的すぎる体験なので、本当に手首の触覚刺激が変化をもたらしたのか、私がストレッサーへ積極的に対抗しようとしたからなのか、ただのプラセボなのかについては、はっきりしたことが言えません。そもそもストレスが数値化しにくい感覚なので、ちゃんとした研究でも、主観まみれのデータが集まりがちですしね。

 

 

ってことで、返す返すも皆さまにはおすすめしませんが、現時点でのまとめとしては、

 

  • 触覚刺激の技術には、初歩の裏づけ研究がそれなりにある
  • タッチポイントは、類似の商品よりだいぶ安い(そのぶん外観はかなりチーム)
  • 個人的には、タッチポイントには意味があるような気がしている(ただし、後から否定派にまわる可能性も十分にある)

 

ぐらいの感じになります。まぁ触覚刺激はおもしろい考え方なので、神経のバランスが崩れたら、今後も使ってみるつもりです。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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