振動だけで気分を改善する珍妙デバイス 「アポロニューロ(Apollo Neuro)」を買ったりした
「アポロニューロ(Apollo Neuro)」という変なガジェットを買いました。購入は公式サイトからで、お値段349ドル。うーん、高い。
アポロニューロの外観はこんな感じ。本体にはボタンが2つだけついてる、シンプルなデバイスになってます。こいつはかなり変わったデバイスで、
- 歩数を記録する
- 心拍数をチェックする
- 睡眠をモニタリングする
といった機能はゼロ。その代わり、本体が特定の周波数で振動しまして、触覚から細かい刺激を与えることで集中力や気分を改善してくれるというんですな。いやー、怪しい。これは怪しい!(笑
といっても、さすがに根拠レスなガジェットに4万円近くも出すはずがなく、いちおうはピッツバーグ大学の神経科学者チームが制作したデバイスで、いちおう公式サイトには根拠の文献リンク(R)が並んでたりします。どんな考え方なのかをざっと説明すると、
- 人間の触覚は、交感神経系(闘争・逃走)や副交感神経系(冷静・落ち着き)と連動している
- 先行研究でも、皮膚から軽い振動を与えるだけでも、神経の働きに影響を与えることができることがわかっている
- ゆえに、細かい振動デバイスを使えば、交感神経系と副交感神経系をコントロールできる!
みたいな考え方です。まぁ確かに自律神経はマッサージなんかでも操作できるわけで、その点では触覚からの振動フィードバックで気分が変わることもある………のかな?ぐらいには思いますね。
いちおうサイトからリンクされてるRCTも読んで見たところ、このデバイスを使った参加者は、プラセボデバイスを使ったグループと比べて、認知能力と心拍変動(HRV)の改善が確認されたんだそうな。あまりにデータ数が少ないんでなんとも言えないんだけど、
で、アポロニューロは、こんな感じで足首や手首に装着します。電源を入れると、アップルウォッチ的な振動が始まりまして、これが5〜120分ぐらい続く感じ。いやー、本当に効果があればいいんですが、ただ振動するだけのデバイスにしてはやっぱ高価ですね。
デバイスはiPhoneと連動しまして、「集中力改善」や「リラックス」といったコースを選ぶことができます。サイトの説明によりますと、こいつを最低でも1日2時間ずつ30日続けて行うと、少しずつHRVが鍛えられていき、目立った改善が見られるとのこと。装着してればいいだけなんで、1日2時間ってノルマはさほど苦でもないっすな。
でもって、いまんとこアポロニューロを使い始めて1週間ぐらい立ったんですけど、正直「うーん、よくわからん」ってのが感想ですね。いちおうApple WatchのHRV測定値もモニターしてるんですけど、いまんとこ目立った変化もない感じなんですよねぇ。
個人的には「あれ?寝つきが良くなった?」みたいな感じもあるんですけど、このタイプのガジェットはプラセボ効果から逃れられないので、もうちょいちゃんとしたデータが出るまではお勧めしないでおきます。とりあえず、30日以上使って様子を見てみるつもり。