脳改善お役立ちデータ#2：カロテノイドで脳が改善！のメタ分析、セージ＆濃縮野菜と果物で頭が良くなる？
「過去に類似の話を紹介したけど、さらに追試で効果が確認されたので無視するのももったいないケース」をまとめて取り上げてみるシリーズです。今回は「脳の改善に役立ちそうなデータ」を3つ、すごーくざっくりとまとめてお送りしまーす。
カロテノイドで歳をとっても脳が衰えにくくなるか？のメタ分析
カロテノイドは脳にいい！って話はいろいろありまして、新しいデータ(R)も「カロテノイドで歳をとっても脳が衰えにくくなるのでは？」みたいな話になっておりました。カロテノイドは抗酸化パワーが強いもんで、昔から認知機能に良いとは言われてきたんですよ。
で、ここでは9つのRCTをまとめたメタ分析になっていて、カロテノイドと認知機能の関係を評価してます。全試験のうち8つの試験は健康な人が対象で、1つの試験は軽度の認知障害を持つ参加者が中心。参加者の年齢は45歳から78歳まででして、私のようなオッサンにも有用なデータでしょう。
また、大半の試験では、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチンが使用され、1つの試験ではベータカロテンの効果が評価されていて、分析の結果は以下のようになりました。
- カロテノイドサプリは、認知機能の向上と強く相関していた
- 全体のデータのばらつきと低い出版バイアスのリスクは低い
ってことで、全体的に良い結果が出てますねー。
もっとも、この研究はメタ分析といえど、全体の参加者数が非常に少ないんで、あくまで予備的な結果だお考えください。私も45歳を超えたばかりなので、ホウレン草の摂取量をさらに増やすか……（ホウレン草はルテインが豊富なんで）。
スパイスの「セージ」で頭が良くなるかも？
セージといえば、ソーセージなどに使われるハーブの一種。 ポリフェノールがやたら多いことでも知られ、認知機能にプラスの影響を与える可能性が昔からよく指摘されてたりします。
ってことで、新たにヒトを対象にしたセージのテスト(R)が行われまして、30～60歳の男女94名で「CogniviaR」っていうセージサプリの効能を試してくれております。具体的には、
- 600mgのセージサプリを飲む
- 偽のサプリを飲む
のいずれかにランダムで割り付け、サプリを飲んでから120分および240分後、さらに29日間の違いを評価したんだそうな。
すると、結果はこんな感じになりました。
- セージのサプリは、120分および240分後、29日後のどちらにおいても、ワーキングメモリの測定値および課題のパフォーマンスを向上させた
ということで、まぁまぁ悪くないのかな……ぐらいの結果ですね。もっとも、この研究はサプリの企業がスポンサーで、研究著者の1人は同社の社員だったりするで、その点はご注意ください。
個人的には、これでセージのサプリを買おうとかは思わないものの、「普段の料理でもっとセージ使ってみてもいいかな……」って気分にはなりましたね。
ポリフェノールの濃縮サプリで頭はよくなるか？
ジュースプラスっていう野菜とフルーツの濃縮カプセルで、「健康な男女の頭が良くなった」ってデータ(R)が出ておりました。
ジュースプラスは初耳でしたが、フルーツ、野菜、ベリー類の濃縮ジュースパウダー出そうで、フェノール酸、フラボノイド、タンニンなどのポリフェノールが多量に含まれているそうな。ポリフェノールが認知機能に良いって説は昔からありますんで、この研究では、いろんなポリフェノールを濃縮させたらどうなるか？ってとこを調べたわけっすね。
これは健康な男女108名（平均年齢32.7歳）を対象にしたクロスオーバー試験で、
- ジュースプラスを朝晩3カプセルずつ摂取
- ニセのサプリを朝晩3カプセルずつ摂取
って2つのグループに分け、2つの治療法をランダムな順序で16週間ずつ行ったとのこと（ウォッシュアウトは4週間）。でもって、各ステップの開始時と終了時に、選択的注意、実行機能、ワーキングメモリなどをテストで評価したら、
- プラセボと比べて、ジュースプラスを飲んだ場合は認知テストの成績が小～中程度向上した
って違いが出たらしい。まー、ポリフェノールが脳血流、炎症、酸化ストレスに影響を与えるのは間違いないんで、こういう結果が出てもおかしくはないかもっすね。
ただ、この話の注意点としては、
- この研究は、ジュースプラスのメーカーから資金提供を受けている
- いずれにせよ、サプリを飲むんだったら普通にベリー類や野菜を食べた方が体にもいいし経済的
ってとこはくれぐれもご留意ください。ジュースプラスの成分とか見てると、普通にベリー類を食べた方が良いように思えますんで。
