世界的な機関が認めた“本当に効く”スポーツ系サプリ6選 ― AISカテゴリーAまとめ
「運動のパフォーマンスアップに効くサプリとは?」ってのは、筋トレやランニングを始めた人なら誰でも一度は悩む問題なんでしょう。まあ実際には、トレーニングの内容がちゃんとしてれば、サプリがそこまで役立つケースってのは少ないんだけど、それでも使ってみたくなるのが人情ですからね。
とはいえ、ご存じのとおりサプリの効果はピンキリでして、それなのに各メーカーが「爆発的パンプ!」とか「筋力87%アップ!」などと盛大にマーケティングするもんで、何を選んでいいのかサッパリわからない状態になりがちなんですよねぇ。困ったもんです。
が、先日スペインの研究チームが良いレビュー論文(R)を出してくれてて、これがめっちゃ勉強になります。この研究はただ文献をまとめただけじゃなくて、世界的に信頼される「AISサプリ分類」ってやつの“カテゴリーA”に指定された本当に効くサプリだけを総点検したものになってるんですよ。
まず用語からチェックしておくと、AISはオーストラリア国立スポーツ研究所の略で、世界のスポーツ科学を牽引する機関の1つ。そのAISが、サプリメントの信頼性を以下の4段階に分類してるんですね。
- A=効果の科学的エビデンスが強く、競技現場でも推奨
- B=効果は有望だが証拠は限定的
- C=十分な効果が確認されず
- D=ドーピング違反の恐れあり・使用禁止
今回の論文が扱うのは、このうちのAカテゴリーにあたるサプリのみ。つまり、多くの試験でちゃんと結果が出ているものだけを選んでまして、現時点ではここでピックアップされたものは、スポーツ科学が効果を認めたサプリなのだと考えて良いでしょう。
まず結論からいくと、選ばれたサプリは以下の6種です。
- カフェイン=持久力アップ・疲労感の低減。持久系・球技・筋トレに向いている。
- クレアチン=瞬発力・筋力向上。パワー系の競技に向いている。
- β-アラニン=無酸素運動のパフォーマンス向上。400m走のような高強度の運動に向いている。
- 硝酸塩(ビートルート)=持久力アップ・酸素効率の改善。中距離・持久系の運動に向いている。
- 重炭酸ナトリウム=乳酸の蓄積を抑える。格闘技・短距離系の運動に向いている。
- グリセロール=脱水対策・耐久力向上。長距離・高温環境の運動に向いている。
わりとこのブログではおなじみのメンツではありますが、ここから6種類のサプリの実用的な使い方をそれぞれチェックしていきましょう。
1. カフェイン
- 摂取量:3〜6mg/kg(例:体重60kgなら180〜360mg)
- タイミング:運動60分前
- 効果:持久力アップ・疲労感ダウン・集中力アップ
エナドリやコーヒーの主成分としておなじみのカフェインですが、実はスポーツパフォーマンス向上のエビデンスがダントツに強い物質。しかも価格が安く入手しやすい、コスパ最強サプリでもあったりします。
2. クレアチン
- 摂取量:ローディング20g/日×5日 → その後3〜5g/日
- 効果:筋力アップ・パワーアップ・筋肥大促進
副作用は基本的になく、安全性は20年以上の研究で証明済み。55歳以上の筋力トレでも効果が増幅することが確認されております。
3. β-アラニン
- 摂取量:4〜6g/日(分割推奨)
- 効果:高強度運動を維持しやすく
乳酸による筋の酸性化を防ぎ、「もうちょっとだけがんばるぞ!」をサポートしてくれるサプリ。400m走や格闘スポーツで人気っすね。
4. 硝酸塩(ビートルート)
- 摂取量:300〜600mg
- タイミング:運動2〜3時間前
- 効果:酸素利用効率改善→持久力アップ
“赤いエナジードリンク”として知られるビートルートジュースも、やはり候補に上がっておりました。マラソンとかサイクリングをやる人にはめっちゃ良いでしょうな。
5. 重炭酸ナトリウム ― 乳酸バッファー
- 摂取量:0.2〜0.4g/kg
- 効果:乳酸対策→高強度維持
乳酸の蓄積を抑えてくれるので、HIITとかが好きな人には好適。ただし胃の不快感が出やすいので分割して摂取するか、または低用量からテストするのがお勧め。
6. グリセロール
- 摂取量:1〜1.2g/kg + 水分25mL/kg
- 効果:脱水防止・熱中症対策
耐久力を上げてくれることがわかっているものの、いくつかのスポーツではドーピング規制にかかる可能性があるので注意したい。
ということで、簡単に内容をチェックしてみましたが、スポーツサプリの世界はカオスなので、「どれを選べばいいのか……」と悩んじゃった時は、とりあえず上記からチョイスしよくとよいのではないでしょうか。特におすすめは、
- コスパ&即効性 → カフェイン
- 筋トレ民向け → クレアチン
- 持久系スポーツ → 硝酸塩(ビートルート)
の3つでして、「余計なサプリでお金と時間を無駄にしたくない!」って人は、ここから検討すると良いでしょう。ここまで絞られると、だいぶ選択が楽になってよいですな。


