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家庭の煮物に「ダシ」はいりません


「家庭の煮物に『ダシ』はいりません」を読みました。わたしの料理ライフに革命を起こした「野菜いためは弱火でつくりなさい」の続編で、今度はタイトルどおり煮物&スープ編であります。

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おさらいしますと、著者は「料理は科学だ!」って考え方をベースにした「ロジカルクッキング」を提唱してまして、そのポイントは、

 

  • 塩の量=食材の重さ(g)×0.008
  • 冷たいフライパンに食材を置き、50度の低温でじっくり焼く


の2点。これだけで、鶏むね肉はしっとりと焼き上がり、野菜はシャキシャキと炒め上がるんだからビックリです。すげー適当に食材を炒めて塩をふるだけでも普通に美味いものができあがっちゃうもんで、すっかりレシピ本とかを使わなくなってしまいました(笑)。


ただし、上のポイントはあくまで炒めもの用なので、汁物に使うといまいち味が決まらないのが難点。そこをカバーしてくれるのが本書なわけです。


あいかわらず本書でも主張は明快で、「どんな食材でも『うま味』は持ってるんだから、わざわざダシを使う必要はない!」というもの。市販のだしの素とかは砂糖が入っているので、パレオダイエッターには非常にありがたい話です。


で、本書による鍋のポイントは、

 

  • 肉と魚には「食材の重さ(g)×0.008」の塩をふる
  • 冷たい鍋に食材と水を入れ、10分かけて55度まで加熱
  • 55度になったら火を消し、フタをして5分放置(食材のアクが取れてうま味が出る)
  • 「スープの重さ(g)×0.008」の塩を入れる(1000ccなら8g)
  • 再び野菜などを入れ、弱い中火で煮込めば完成


って感じ。あくまでスープを沸騰させないのがポイントなんですね。また、煮物の場合は水分が蒸発するので、塩の量は「スープの重さ(g)×0.008×0.9」にするといいみたい。なるほどねぇ。


というわけで、「家庭の煮物に『ダシ』はいりません」のご紹介でした。本書には、ほかにも筑前煮、鯛のあら汁、豆腐の味噌汁、クリームシチュー、ヒラメのムニエルあたりのロジカルクッキングが紹介されてまして、非常に参考になります。にしても、これだけで美味い鍋物ができるとなると、どんどん凝った料理はしなくなっていきそう(笑)。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。