セルライトを減らす方法は「バランスの取れた食事」しかないかなぁ
知人の女性から「セルライトってもみ出せるの?」って質問をいただきまして。なんでも、エステの無料体験に行ったら、セルライトを取り除くマッサージのために20万のコースを薦められたんだとか。というわけで今日はセルライトの話。
セルライトに関しては、2010年にガッツリと要点をまとめた論文(1,2)が出てますんで、これを参考にくわしいところを見ていきましょう。
そもそもセルライトってなに?
人の肌は一番上に表皮がありまして、その下に、汗腺やら結合組織がある真皮が広がっております。で、さらにその下にある皮下脂肪が真皮に付き出した状態がセルライト。イラストだと以下の感じになりまして、左がセルライトの状態です。
ここでのポイントは、結合組織。イラストのように、結合組織が脂肪を小分けに包む構造になってまして、セルライトができるかどうかは、この結合組織にかかっております。
つまり、何が言いたいかといいますと、
- セルライトは全体的な脂肪の量とは関係がない
- セルライトの原因は肥満ではない
- セルライトは老廃物とは関係がない
ってことです。あくまでセルライトは表面の脂肪層と結合組織の関係で起きるものなんで、老廃物や肥満とは無関係なんですな。その証拠に、体脂肪が限りなく少ないテニスプレーヤーのマリア・シャラポワ選手の足にも、普通にセルライトはできております。
じゃあ、セルライトはどうすりゃいいの?
老廃物や脂肪の量とセルライトは無関係なので、いくらマッサージをしても無意味であります。他にも、エステでは、エンダモロジーや脂肪吸引、メソセラピーといった方法がオススメされるようですが、上の論文によれば、いずれも超短期間の効果はあっても、長期的には金と時間のムダとのこと。重要なのは結合組織なんで、いくら脂肪に働きかけても意味がないみたい。
かといって、結合組織の構造は遺伝によるところが大きいので、残念ながら現時点で完璧な対策はないというのが正直なところです。もちろん、一時的な効果でもいいからセルライトを減らしたい!って願望もありましょうが、個人的には数十万をかける価値はないかなーと思います。
そこで唯一おすすめできそうなのが、「バランスの取れた食事」であります。実に平凡な対策ですが、2003年の実験(1)では野菜にふくまれるポリフェノールを取れば、大幅にセルライトの量が減ったとのこと。ポリフェノールが結合組織のダメージをやわらげ、結果として肌の見た目がよくなるみたい。
というわけで、結論としては、
セルライトは人間にとって正常な状態。決して肌の異常やトラブルではないので安心しよう!どうしても気になるときもエステには行かず、野菜と果物で対策を!
って感じです。特にマッサージや脂肪吸引はまったく効果がないので、ご注意ください。
credit: bookjournals via FindCC