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オーガニックなお肉のほうが健康に良い!はどこまで本当か

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本当に大事なのはカロリーの量より質だ!って話を何度も書いております当ブログ。いくら食べるか?よりも何を食べるか?を重視するのが、パレオダイエットの基本であります。

 

 

オーガニックの食肉と従来の食肉の栄養の違いは?

といったところで気になるのが「お肉」の質です。抗生物質で育った食肉には腸内環境を荒らす可能性もありまして、野菜以上に肉の質にはこだわりたいところ。

 

 

……なんですが、良いお肉は値段も高いですし、日々の暮らしでは妥協もやむなしでしょう。放牧牛ばっか買ってたら家計が破綻しますんで。

 

 

そこで参考になるのが、近ごろ出た論文(1)。67件のデータを精査した系統的レビューで、オーガニックの食肉と従来の食肉の栄養の違いを徹底的に調べたんですね。科学的な信頼度はかなり高めであります。

 

 

これまでオーガニック野菜の栄養価を調べた系統的レビューはあったんですが、食肉に関する調査はなかったんですよね。ありがたいことです。

 

 



 

オーガニックな肉はオメガ3がやたら多いが…

調査の対象になったのは、牛肉や豚、鶏肉、羊、ヤギ、ウサギなど。ざっくりと結論を並べていくと、

 

  • オーガニックなお肉のほうが
    • 多価不飽和脂肪酸が23%多い
    • オメガ3脂肪酸も47%多い
    • ミリスチン酸とパルミチン酸が少ない
    • 一価不飽和脂肪酸が少ない
  • ただしオメガ6と3の比率はどっちも同じ
  • ビタミンやタンパク質量についてはデータ不足で結論が出せない

 

みたいな感じ。やっぱオメガ3が多いみたいですねぇ。

 

 

もっとも、「オメガ3が47%も多い!」というと凄そうですが、例えば100gの牛脂で考えた場合、およそ280mgぐらいの上乗せ量になる計算。この差がコスパに見合うかどうかは、個人の感覚になっちゃうでしょうね。

 

 

まぁ不飽和脂肪酸において大事なのは、オメガ3の摂取よりもオメガ6の削減ではあります。オメガ6の摂取量が多い限りは、いくらオメガ3をとろうが焼け石に水だってところは、改めて肝に銘じておきたいポイントでしょう。

 

 

「オーガニック肉が超体にいい!」とはまだ言い切れない

もちろん、この研究はビタミンや抗酸化物質などの量については結論を出してないんで、そのあたりは判断が難しいところではあります。

 

 

また、この論文でいう「オーガニック」は、「広い牧場でのびのびと育てましたよ〜」ぐらいの意味合い。完全に牧草だけを食べて育ったわけじゃないので、グラスフェッドよりは栄養価が低めに出ている可能性も大きいでしょうね。

 

 

そんなわけで、現時点でのわたしの感想としては、

 

  • オーガニックな肉のほうが良いのは間違いない
  • ただし、価格差に見合うだけの価値があるかといえば疑問
  • どちらかといえば、抗生物質を使って育ったかどうかにこだわったほうがいいかも

 

といったところです。実際のところ「オーガニックがめちゃくちゃいい!」と断言できるデータもありませんので、そこは生活コストとの兼ね合いでご判断いただければと。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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