友情はモルヒネよりも体の痛みをやわらげる効果がある
「友情はモルヒネより痛みに効く!」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。
友人が多い人ほど痛みに強かった
これはハーバード大の研究で、18〜34歳の男女101名を対象にしたもの。実験の手順としては、
- 全員のパーソナリティテスト&人間関係に関するアンケート
- みんな壁に背をつけて空気イスをしてもらい痛みへの耐性をチェック
って流れで行われたらしい。で、そのデータを統計処理したところ、
- 友人が多いほど痛みに強い!
って傾向がハッキリ出たんですな。
友人に会うと痛みに効く脳内麻薬が出る
こういった現象が起きる理由として、研究者はエンドルフィンの働きを想定してるみたい。エンドルフィンは神経伝達物質のひとつで、多幸感や鎮痛作用が大きいので「脳内麻薬」とも呼ばれております。
研究者いわく、
エンドルフィンは、人間の痛みと快楽に関わる物質だ。天然の痛み止めとして働き、喜びの感覚をもたらしてくれる。
これまでの研究により、エンドルフィンには社会性を促進する働きがあることがわかっている。「社会的愛着の脳内麻薬理論」と呼ばれる説によれば、対人コミュニケーションがポジティブな感情を生むのは、エンドルフィンが脳内の鎮痛レセプターに作用するからだとされる。
仲の良い友人を見ると気分が良くなるのは、この作用が原因かもしれない。
この説を検証するために、私たちはエンドルフィンの鎮痛効果を利用することにした。エンドルフィンには、モルヒネよりも強い鎮痛効果があるからだ。
とのこと。つまり、
- 友人とたくさん会う
- 脳内にエンドルフィンが出る
- 痛みに強くなる!
って流れになっております。ヒトの幸福は人間関係で決まるって話もありますが、友人は痛みにも強くしてくれるわけですねー。友人の少ないわたしは涙目です。
ちなみに、この研究では別の傾向も見つかってまして、
- 健康な体を持つ人も痛みに強いが友人は少ない
- ストレスが多い人ほど痛みに弱く友人も少ない
って結果も出たそうな。おもしろいですねぇ。
この問題については、
(健康な人に友人が少ないのは)時間の要素が関係しているかもしれない。エクササイズに時間を使う人は、友だちとの社交時間も減るからだ。
もしくは、健康な人たちは、友人よりもエクササイズがもたらすエンドルフィンを重視している可能性もある。
とのこと。正直、エクササイズで社交の時間が減るって説には素直に納得できないんですが、エンドルフィンのために運動をやってる人が多いって可能性はありそう。わたしに友人が少ないのは単なる人見知りのせいですけども、エクササイズが続いてるのは脳内麻薬のおかげが大きいような気がします(笑)