普通の筋トレより短時間でマッチョになれる「HIT」プロトコルのススメ
時短効果がすごい?HITってなに?
「パレオダイエットの教科書」では、「HIT」っていう筋トレ法をオススメしております。これは「高強度トレーニング」の略で、だいたい8〜12回で限界が来る重さ(もう少しも体が動かない!ってレベル)を使う手法のこと。
この手法だと1セットでも十分な筋肉がつくと考えられてまして、「筋トレに時間をかけたくない!」って人にはよろしいのではないか、と。
ってところで、新たにHITの効果をチェックした論文(1)が出ましたんで取り上げときます。くわしいHITのテクニックにも触れられているんで、パレオ式筋トレの参考にもなりそう。
HITと普通の筋トレの効果をくらべた
これは30人の男女を対象にした実験で、HITと普通の筋トレの効果の差を確かめたもの。具体的にどういうトレーニングが行われたかというと、
▼HITグループ
- 10回で限界が来る重さを使う
- ウェイトは2秒で上げて、1秒止めてから4秒をかけて下ろす
- 少しも筋肉が動かない時点までウェイトを動かす
- 筋肉が動かなくなったらウェイトを10%軽くして、さらに2〜3回の筋トレ(いわゆるドロップセット)
- 以上のセットを、各メニュー1セットずつ行う
▼普通の筋トレグループ
- 自分で好きに決めた重さを使う
- ウェイトは2秒で上げて、2秒をかけて下ろす
- 「筋肉がツラくなってきたなー」と思ったら1セット終了
- 15回以上ラクに上げ下ろしができた場合は、5%ずつ負荷を重くしていく
- 以上のセットを、各メニュー3セットずつ行う
みたいなトレーニングを週2でやったそうな。つまり、ボリュームはないけど負荷が高いトレーニングと、ボリュームはあるど負荷が低いトレーニングの効果を比べたわけですね。
HITは1セッションたった11分
また、実験で採用されたメニューは、
の9種目だったみたい。当然、HITのほうがトレーニング時間は短くなりまして、
- HITグループ=1セッションが11分ぐらい
- 普通の筋トレグループ=1セッションが25分ぐらい
って差が出ております。時間はHITのほうが半分以下ですな。
短時間で普通の筋トレと変わらない効果
で、10週間後にどんな結果が出たかといえば、
- 筋力は明らかにHITのほうが増える
- 筋肉量や体脂肪の減り方などは、ややHITが有利ながら、ほとんど差はないレベル
だったそうな。負荷が高いほうが筋力がつくのは、「機能的な細マッチョを目指すか」で書いた話と同じっすね。
つまり、この論文から得られる教訓は、
- 短時間で筋肉を育てたいならHITがオススメ
- トレーニングのボリュームには別に気を配らなくてOK(ボディビルダーは別として)
- HITをやるときは、ドロップセットを使うと筋肉を追い込みやすい
ってとこでしょうか。もっとも、HITで筋肉を限界まで追い込むと、精神的なツラさでモチベーションが下がっちゃう人も多いでしょうから、そのへんはお好みで選んでください。
まぁ、あんまり低負荷で高ボリュームな筋トレばかりやってると、重いウェイトに神経系が慣れていかないので、いざ強度が高いトレーニングをしたくなったときに困るかも。その点では、低負荷が好きな方も、たまにはHITを導入してはいかがでしょう。