結局、頭がいい人ほど幸福度が高いことが科学的に明らかに
頭がいいと幸せになれる?
「頭がいい人は本当に幸福なの?」って問題は昔からありまして、逆に「知能が低いほうが何も考えないから幸せなんじゃない?」なんて見方もあったりするわけです。
じゃあ本当はどうなのかってことで、インディアナ大学がナイスな研究(1)をしてくれておりました。過去に行われた「知性と幸福」に関する研究から、質が高い33件をまとめたメタ分析になっております。つまり、そこそこ信頼性は高め。
知性が高いと人生の満足度も高い
全体的には1980年代から5万人分のデータを精査してまして、どんな結果が出たかというと、
- 知性が高いほうが人生の満足度が高いという弱い傾向がある(統計的には有意じゃないレベル)
- 知性が高いほうが仕事の満足度が高いという中レベルの相関があった
みたいな感じ。弱い結果ながらも頭がいい人ほど幸福で、特に「仕事の満足度」が高いのは間違いがなさげですね。
頭がいいと幸福なのは仕事のおかげ
では、なんで知性と幸福が結びつているかといえば、ズバリ「難しい仕事ができるから」ってことらしい。というのも、いろんな要素のなかで、もっとも人生の満足度と関連が高かったのが「仕事の複雑さ」だったんですね。
ここでいう「仕事の複雑さ」ってのは、必要なスキルの高さとか仕事の負荷とか、自分で作業をコントロールできるかを示す概念。頭がいい人ほど作業が複雑な仕事を選ぶので、
- やりがいアップ!
- 収入アップ!
という2つの結果が得られ、それが結果として人生の満足度をあげていくらしい。
頭がいい人の幸福は「やりがい」と「収入」が原因
実際、この研究で「仕事の複雑さ」と「収入」を調整したところ、頭の良さと幸福の関係は消えてしまったとか。頭がいい人たちの幸福アドバンテージは、おもに仕事のやりがいと収入に支えられてるわけですな(横断研究なんでハッキリ因果はわからんですが)。うーん、いかにもな感じ。
まぁ「頭がいい人ほど幸福」と言われるとガッカリしちゃう面もありますが(笑)、この研究ではあくまで弱い相関しか出てないので、私のような凡人でも希望は残っております。
まとめ
なんせハーバードの大規模リサーチだと、人生の幸せに必要なのは頭の良さでも金でもなく「良好な人間だ!」って結論ですからねぇ。要するに、
- 頭がいい人=自分の能力よりやや困難な仕事に挑むことに時間を投資してみるのもアリ
- 普通の人=仕事よりも、家族や友人を大事にすることに時間を投資したほうが効率がいい
ぐらいの話ではないかと。どうぞよしなに。