魚は体を若返らせる!では、1週間に何の魚を何グラム食べればいいのか?
「パレオダイエットの教科書」では、「とりあえず魚を食べよう!」って話を強調してるわけです。なんせ魚は非常に良質なタンパク質だし、脂質には体の炎症を抑える効果もあるしで、いいことだらけなんですよね。ここらへんは多くのデータでほぼコンセンサスが取れてるところ。
では、具体的に「どれだけ魚を食べればいいの?特にいい魚とかあるの?」ってのが気になりますが、近ごろアメリカ心臓協会(1)がナイスなガイドラインを出してくれておりました。
どんな内容かといえば、過去の「魚と心疾患」に関するデータを調べまくったうえで、「これぐらいがオススメ!」ってラインを決めてくれた感じ。実はアメリカ心臓協会は過去にも「魚の摂取量ガイドライン」を出してたんですが、今回は16年ぶりの改訂版になってたりします。
というわけで、いきなり結論から言っちゃいますと、
- 青魚を1週間に200g食べればOK!
って感じです。200gというと週にサバ缶を1個食べれば十分な計算ですなぁ。というと少なめなような気もしますけど、これでも16年前に比べると2倍の量になってたりします。やっぱここ十数年で改めて魚のすごさが明らかになってきた感じなんでしょうな。
研究者いわく、
最後のガイドラインを出してから大量のリサーチと科学的な研究が行われ、ついに新たなアドバイスをアナウンスする必要が出てきた。魚介類は心臓病の予防だけでなく、脳卒中、突然死、心不全などにも効果がある。
とのこと。それではどんな魚がオススメかといえば、
- サーモン
- サバ
- マス
- ニシン
- イワシ
- タラ
と言ったところ。これらを刺身か焼き魚でいただけばOKであります。こちらも大衆魚ばかりでよろしいですね。
さらに研究者いわく、
ここ数十年の研究により、オメガ3は細胞同士の連絡にも欠かせない役割を持つことがわかってきた。オメガ3は細胞膜の内側に入り込み、細胞の内と外に大事なシグナルを送る。細胞のコミュニケーションは、心臓の働きによって非常に重要なポイントだ。
とのこと。これは要するに、体内に毒素が入ってきた場合に、細胞がどう反応するかをオメガ3が仕切ってるようなイメージです。確かにすごい。
ただし、ここでひとつだけ大事なポイントは、
- くれぐれも魚はフライにしないでね!
ってことです。揚げた魚を週一のペースで食べた場合は、心臓を守るどころか逆に心疾患の発症率が50%もはね上がるそうですんで。揚げ物さえ避ければ、あとはなんでもよしであります。
ちなみに、この論文では他にもおもしろい論点が出てたりします。
- 養殖か天然か問題:まだ養殖がいいか天然がいいかはハッキリしていない。基本は天然のほうがオメガ3は多いけど、近ごろはEPAとDHAを増やすように調整した養殖魚も多いので、なんとも言えないとのこと。
- 水銀怖い問題:確かに魚には水銀が入ってるけど、だからと言って魚を食べないのはダメ。どっちかと言えば、魚を食べないデメリットの方が大きい。ただマグロみたいに大きな魚の場合は、小さな子供と妊娠中の女性は食べすぎない方がいいよ!とのこと。
ってことで、とりあえず週に1回ぐらいスーパーで青魚の切り身を買ってくれば最低ラインはクリア。あとは好きなだけ増やしていけばよろしいかと思う次第です。