砂糖入りのソフトドリンクは喘息を悪化させるかもだぞ!という観察研究のメタ分析のお話
砂糖入りのドリンクは体に良くない!ってのはよく言われることでして、過去の観察研究なんかでも、肥満や糖尿病の原因になってるんじゃない?と思わせる傾向がよく出てるんですよね。
でもって、直近で出た研究(R)は、「砂糖入りのソフトドリンクは喘息を悪化させるぞ!」みたいな内容になってて参考になります。かく言う私も子供のころからアレルギー性喘息の気がありますんで(だいぶマシになったものの、いまも気を抜くと呼吸が浅くなる)、非常に気になるところなんすよね。
今回の研究はタイバ大学などが行ったもので、2018年までに出版された「ソフトドリンクと喘息」に関する研究から19件を抜き出したメタ分析になっております。
実は、これまでも「砂糖入りの飲み物が喘息悪化の原因になってるんじゃない?」って報告はいくつも出てたんですけど、データによって結論がバラバラだったりして、いまいちどう考えていいかわからなかったんですよね。その点で今回の研究はありがたいですなぁ。
いちおうデータの内訳を書いておきますと、
- 3件がコホート研究(R)
- 16件が横断研究(R)
- 10件は18歳までの若者が対象
- 5件は18歳よりうえの年齢が対象
- 6件がヨーロッパ、6件がアメリカ、4件がアジアで採取されたデータを使用
みたいになってて、総サンプル数は468,836人だったそうな。観察研究がメインということでハッキリした因果はわからんのですが、これだけのデータをまとめた調査も少ないんで、ここから得られる知見は貴重でありましょう。
で、結果は以下のようになりました。
- 加糖飲料の消費量は、喘息の発症率と有意に相関していた(これは子供も大人も同じ)
- 妊娠中に母親が加糖飲料を飲んでいると、子供が喘息を発症するリスクが上がる
って感じでして、因果関係はわからないながらも、砂糖が入ったドリンクと喘息にはなんらかの関係があるのは間違いなさげ。
なんで加糖飲料と喘息に関係があるのかは謎ですけども、一部の研究では『妊娠中の女性がジュースなどを飲みまくると、子供は炎症性の疾患にかかるリスクが増えるかも?」なんて話もありまして、
- やっぱ砂糖のとりすぎが炎症を悪化させてるのかなぁ
- ジュースのカロリーで太っちゃうせいで喘息が悪化するのかなぁ
といったあたりが主原因なのかなーとか思ってしまうわけです。
ちなみに私の場合は、子供時代の肥満と父親が吸ってたタバコの副流煙がデカいような気がしております。私のように喘息の気がある方はご注意ください。