「男の金づかいの荒さ」はコミュニティ内の男女比に左右される!みたいな実験の話
「男の金づかいは男女比に左右される!」って結論のおもしろい研究(R)が出ておりました。
これはミネソタ大学など研究で、まずはアメリカにおける132の都市からクレジットカードの負債データなどを集めて、住民たちがどれだけお金を使ってるかをチェック。このデータを住民たちの男女比率と比べたんですね。
なんでこんなことをしたのかと言いますと、たとえばアメリカのジョージア州にあるメーコン市とコロンバス市などは、文化や経済状況がほとんど同じにも関わらず、なぜかコロンブスに住んでる人のほうが、メーコンの人たちより金づかいが荒いんですよ。その支出額の違いはひとり当たり3,479ドルにものぼりまして、「なんでこんなに金づかいが違うの?」ってのは面白い問題設定だったりするんですな。
で、ここで研究チームが立てた仮説はこんな感じです。
- 住民の男女比の違いが支出額の差になってるんじゃないの?
つまり、女性よりも男性が多いエリアだと、男たちは女性の気を引くためにプレゼントやらレストランやらにより多くの金を使うので、結果として支出額の差になるのではないか、と。
でもって、それぞれのデータを照合してみたところ結果は読みどおりでして、
- 女性よりも男性が多い都市のほうがクレジットカードの使用量が多い!
って傾向がわりとキレイに確認されたんすよ。もちろんこの研究だと他の可能性を取り除くのは難しいんですが、とりあえずおもしろげな相関が出たなーって感じですね。
さらに、ここからチームはラボ実験もやってまして、18歳から36歳までの男女205人に3パターンの写真を見せたんだそうな。
- 女性より男性が多く写り込んでいる写真
- 男性より女性が多く写り込んでいる写真
- 普通の風景写真
その後、参加者たちに「実験の謝礼をあげますけど、すぐにもらうより1ヶ月後にもらった方が金額が大きくなりますけどどうします?」と持ちかけたところ、以下のような結果になりました。
- 女性より男性が多い写真を見ると、男性は「すぐに謝礼をもらいます!」と答えがちになった
- 男性より女性が多い写真を見ると、男性は「1ヶ月後に謝礼をもらいます!」と答えがちになった
つまり、「女性が少ない!」という気分を植え付けられた男はより衝動的になり、短絡的な行動を取っちゃうのかもしんないわけですな。うーん、単純。
ちなみに参加者が女性の場合は、お金への衝動性は変わらなかったんですが、
- 女性より男性が多い写真を見ると、女性は「男性が金を使うのが当然でしょう!」と考えやすくなった
って傾向は確認されたそうです。女性たちも無意識のうちに男女比率の影響を受けてるんですねぇ。
研究チームいわく、
経済学によれば、人間は慎重に考えながら複数の選択肢から意思決定を行うというが、実は私たちの意思決定は他の動物との共通点が少なくない。ヒトの行動は反射的で無意識的な要因にも支配されており、周囲の男女比率によっても、私たちの欲求や行動、心理全体を知らずのうちに変えているのだ。
とのこと。まぁこの研究をどう現実に活かすべきか?と言われれば悩むところですけど、「コミュニティ内の男女比」みたいなことでも人間の意思決定は左右されるんだなーってのは知っておいて損はないかもっすね。