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「プチ断食+筋トレ」は最強の肉体改善法なのでは?みたいな系統的レビューの話


  

このブログでは、体型の管理&アンチエイジングの手法として「プチ断食」よく推奨してるわけです。決められた短い時間帯だけ食事するように決めて、残りの時間は何も食べないっていう食事法のことですな。

 

 

で、新しい系統的レビュー(R)もプチ断食の話でして、まず結論から言っちゃうと、

 

  • 「筋トレ+プチ断食」の組み合わせなら、筋肉を減らさずに体脂肪だけ落とせるかもだ!

 

みたいになります。ご存じのとおり、痩せるためにはカロリーを削らねばならんわけですが、そうするとどうしても筋肉も減っちゃうのが難点。あんま食事を減らすと体脂肪といっしょに筋肉量も低下するんで、この問題に立ち向かうには、

 

  1. 絶妙なカロリーコントロール
  2. 適度な筋トレで筋肉を刺激する

 

っていう2つのポイントを組み合わせていいく必要があるわけです。筋肉が減ると見た目に良くないだけじゃなくて、メンタルの低下や疲労にもつながっちゃいますからねぇ。これはできるだけ防ぎたいとこなわけです。

 

 

ならば、プチ断食で自然と摂取カロリーを減らしつつ、同時に筋トレを組み合わせてみたら、筋肉は落とさずに体脂肪だけ削れるのでは?って発想が生まれるのは自然な話。今回の系統的レビューも、そこらへんをチェックしてくれたんですね。

 

 

ということで研究チームは、過去の実験から質が高めな8件をピックアップして、219人のデータを分析してくれてます。その際にはPRISMAガイドラインと、ダウンズ・アンド・ブラックチェックリストが使われてていい感じです(R)。

 

 

データの内容をメモっておきますと、

 

  • 実験の期間はだいたい4〜8週間
  • プチ断食のパターンは以下のとおり
    • ラマダン式=夜明けから日没までに1日分の食事をとる(断食時間は1日14〜15時間)
    • 4時間断食=1日のうち4時間だけ食事をして、残り20時間は断食
    • 8時間断食=1日のうち8時間だけ食事をして、残り16時間は断食
    • 日替わり断食=1日は好きなように食べたら、翌日は丸1日は普段の食事の25%ぐらいまでのカロリーに制限しつつ、12 p.m. 〜 2 p.m.のあいだに食事を済ませる

 

みたいになってます。被験者の体型は標準レベル(BMI22ぐらい)から過体重のあいだでして、上記のプチ断食パターンに週3〜4の標準的な筋トレを組み合わせたそうな(いずれのトレーニングも食事を済ませて時間がたってないタイミングで実施)。

 

 

でもって、全体的にどんな傾向が確認されたかと言いますと、

 

  • どのデータでも筋肉量はおおむね維持されており、ひとつの研究では筋肉の有意な増加が報告されていた
  • 体脂肪量は、8つの研究のうち5つで有意に減少していた

 

だったそうで、データ間のバラつきはややありながらも、とりあえず「プチ断食+筋トレは筋肉を保ったまま体脂肪を減らせる!」と言えそうであります。

 

 

まぁ、とはいえ今回の分析にもそれなりの限界はありまして、

 

  • 8 件の研究のうち 7 件は「プチ断食だけをして筋トレをしない」って比較対象群がふくまれてない。なので、筋肉の維持効果が筋トレによるものなのか、プチ断食のおかげなのかが判断しづらい
  • どれも短期の研究なので、長期的にはどんな違いが出るかはよくわからん
  • 研究のデザインにかなりのばらつきがあるため、プチ断食の効果に一貫した結論は出せない

 

といった問題があるところはご留意ください。このタイプの系統的レビューは初めてなので、いたしかたないとこではありますが。

 

 

ってことで、いろいろと条件付きではあるものの、大きく見れば「プチ断食+筋トレ」は、見た目を改善したい方にはかなり有望なプロトコルだと申せましょう。良い感じの肉体になりたい方はお試しあれー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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