ヤバい相手のことを好きになりがちな人は、どんな性格を持ってるの?を調べた研究の話
いつの世も「ほれっぽい人」ってのがいるわけです。専門的には「エモフィリア」と呼ばれる傾向で、ちょっとでも気に入った人がいると、すぐに恋愛感情を抱いちゃうような人のことっすね。
恋愛にハマりやすいタイプには、ほかにも「不安型」の愛着スタイルを持つ人が多いんですけど、こちらは「誰かと結びついてないと怖い!」みたいな動機で動くのに対して、「エモフィリア」は「この恋は確実に報われる!」といった感覚に駆動されてたりします。ある意味で恋愛に自信があるタイプですな。
で、エモフィリアの人は恋愛から活力を得られるのはいいんだけど、ほれっぽさが災いして「ヤバい人間」のこともすぐ好きになっちゃうと言われてたりします。恋愛感情が発生しやすいだけに、人間を見極めるセンサーが働きにくいわけっすね。
というわけで新しい研究(R)では、「エモフィリアほど間違った相手にほれやすいのでは?」って仮説を検証してておもしろかったです。
最初の実験では、まず 257 人の男女 (平均34歳)にオンラインで調査を行い、「理想の恋愛相手にどんな特徴を求めるか?」と「エモフィリア度はどれぐらいか?」を質問。各自のエモフィリア度は、以下のような文章に賛成するかどうかで調べたそうな。
- 私は簡単に恋に落ちる
- すぐにロマンティックなつながりを感じる
- 恋に落ちる感覚が好きだ
- よく恋をする
- 恋愛に飛びつきやすい
要するに、どんだけ他人にほれっぽいのかをチェックしたわけっすね、
そこからすべてのデータをまとめたら何がわかったかと言いますと、
- エモフィリア度が高い人ほど、ダークトライアドを好きになりやすい!
だったそうです、ダークトライアドは、人間が持つヤバい側面を表した性格特性のことで、
- サイコパス:共感力が低くて自分の欲望のために行動する
- ナルシシズム:自分が大好きで自己本意に行動する
- マキャベリズム:欲求を満たすために他人を操ろうとする
という3つのパーソナリティを意味しております。どの集団にも必ず一定数が存在するんで、それと気づいたら無闇に近づかないことをお勧めします。
さて、さらにふたつめの研究では、185人の女性を集めて、チームが作った架空の男性たちのオンラインプロフィールを見るように指示。どのプロフィールを好ましく思うのかを評価してもらったらしい。ここで参加者を女性に限ったのは、一般に男の方がダークトライアドの性質を持ってることが多いからだそうです。
その結果、こちらのテストではどんな傾向が確認されたかと言いますと、
- エモフィリア度が高い女性は、低い人よりもダークトライアドな特性に高い評価をつけた
- というか、エモフィリア度が高い女性は、ほぼすべてのプロフィールに高い評価をつける傾向もあった
って感じだったみたい。エモフィリアの人たちはどんなタイプも好きになっちゃうし、そのなかでも特にダークトライアドへ惹かれやすいわけっすね。
まぁダークトライアドが意外とモテるってのは有名な話で、
- サイコパス=なにごとにも動じない勇敢な人に見える
- ナルシスト=いつも自信満々で頼れる人に見える
- マキャベリスト=感情に流されず冷静な判断をする人に見える
って傾向があるんで、短期的にはかなり魅力的な人に思われやすいんですよね。長くつきあうと確実に正体がバレますが。
もちろん、この発見にはいくつかの限界がありまして、
- 「魅力的な相手」がすべて仮想をターゲットにしてるんで、どこまで現実世界で再現されるかが謎
- 2番目の研究ではヘテロな女性だけを対象にしてるんで、他の性別を組み込んだら結果が変わるかも
ってあたりは注意点として押さえておきたいとこではあります。
まぁいずれにせよ、エモフィリアな人たちの「愛し愛されて行きたい!」みたいな願望が、ヤバい人たちに引き寄せられてしまう原動力になってる可能性は高いのではないかと。特にダークトライアドは概して下心満点なんで、エモフィリアを搾取すべく近づきやすいってのもあるでしょうしね。
もちろんエモフィリア自体が悪いって話ではないんですが、こういうタイプの方々は恋愛において本質的に脆弱性を抱えてるんだよーってのは覚えておくと良さげ。心当たりがある方はお気をつけください。