慢性痛をやわらげるための「食事法」は何が効くのか?の系統的レビューの話
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慢性痛は対処が難しい!ってのは常識。なんせ痛みの原因はいろいろありすぎて、どうにもこれといった対策が立てづらいんですよね。
かくいう私も長年の腰痛持ちでして、かつての夜も眠れないレベルの激痛はやわらいだものの、いまもストレスに反応して貼りつくような不快感に襲われることはあります。辛いもんですなぁ。
ということで、新しい研究(R)では「慢性痛に効く食事法とは?」ってポイントをまとめてくれててためになりました。当然ながら、慢性痛ってのは身体のどこかで炎症が起きているケースが多く、不健康な食生活を送ってれば症状が悪化しやすくなるはずんですよね。
この調査では過去の38の実験から系統的レビューを行い、各種の痛みに効く食事を選び抜いてくれております。具体的な知見をざっくりと見てみましょうー。
腰痛に効く可能性があるもの
- イブプロフェン(1日400mg)とアミノ酸ブレンド(355mgを1日2回)の併用により、慢性腰痛が大幅に緩和された
- 太りすぎや肥満でビタミンDが欠乏している人の腰痛が、100,000IUのビタミンD3を投与した後、1日4,000IUずつのビタミンを投与することで改善したとの報告がある
- 週60,000IUのビタミンD3を8週間摂取することで、ビタミンD欠乏症でかつ腰痛に悩む人の痛みの強さが軽減された
腹痛に効く可能性があるもの
- プロバイオティクスのビフィズス菌(Bifidobacterium longum)を添加したヨーグルトを5週間食べると、慢性的な便秘による痛みが緩和される
- ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株は、パーキンソン病による便秘症の人の痛みを緩和するのに有効である
- 乳糖を制限した食事は、乳糖不耐症の診断を受けていない人の腹痛を改善した
- ガラクトオリゴ糖(RP-G28)の摂取で腹痛が減り、乳糖不耐症の症状が改善された
- グリーンバナナに含まれるレジスタントスターチが、慢性的な便秘に関連する痛みをやわらげた
- グアーガムが過敏性腸症候群の痛みをやわらげ、便通を正常化した
頭痛に効く可能性があるもの
- 低カロリーのケトジェニックダイエットは、片頭痛発作の回数と期間を減らした
- オメガ6脂肪の摂取量を減らし、オメガ3の摂取量を増やすことで、慢性的な頭痛を持つ人の痛みを軽減し、生活の質が向上した
- 慢性片頭痛の人にオメガ3のサプリメントを毎日1.5g摂取させると、頭痛の日数が減少した
- 低脂肪で植物性の食事は、片頭痛発作の回数と重症度を減少させるのに役立つ
- マルチビタミンは片頭痛の痛みの強度を低下させるかもしれない
- 1日に100mcg(4,000IU)のビタミンD3を摂取することで、片頭痛発作の頻度が減る
- バチロペプチダーゼFを含む納豆系サプリメントを1日250mg摂取することで、首や肩のこりに起因する慢性的な頭痛の痛みが緩和された
線維筋痛症に効く可能性があるもの
- 断食と統合医療の組み合わせは、線維筋痛症による全身の痛みの軽減に効果がある。この療法は病院で2週間実施された
- 低FODMAP食は、胃腸障害と線維筋痛症の症状を軽減した
- 乳卵菜食とコアエクササイズを組み合わせた介入は、線維筋痛症の腰痛を軽減し、体組成を改善するのに役立った
- グルタミン酸ナトリウム(MSG)を避けると、線維筋痛症に関連する関節痛とIBSを緩和するかもしれない
- グルテンフリーの食事は、線維筋痛症に関連するIBSを持つ人々の症状と痛みを改善するかもしれない
筋骨格痛に効く可能性があるもの
- 穀物、果物、野菜、豆類を中心とした植物性の食事は、慢性的な筋骨格痛を減少させ、生活の質を向上させた
- 栄養価の高い食品の増量を目指した食事により、一般的な筋骨痛の疼痛スコアと生活の質が改善された
神経の痛みに効く可能性があるもの
- 糖尿病性神経障害の患者では、ビタミンB12を補う低脂肪で植物ベースの食事により痛みのレベルが改善された
- 1回640mgのオメガ3を1日3回ずつ摂取するか、1回300mgのビタミンEを1日2回ずつ摂取するかのいずれかで、化学療法による神経障害の発生率が減少した
- 1日400mgのビタミンEを12週間摂取することで、糖尿病性神経障害の人の痛みのスコアが減少した
ってことで、ズラズラと並べてみましたが、なかには気軽におすすめできない介入(ビタミンDの大量すぎる摂取とか)も入ってるんで、実践の際はあくまで主治医さんにご相談ください。私の場合は腰痛持ちですけどビタミンDの問題は抱えてないはずなので、地道に認知行動療法を続けるか……。