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ダイエットに成功しても幸せになれるわけじゃない!(というか逆に不幸になるかも)

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当ブログでもさんざん扱っているダイエットネタですが、PLOS | ONEに「ダイエットに成功しても幸せになれるわけじゃない!(というか逆に不幸になるかも)」って論文(1)が出て話題になっております。 

 

 

これは1,979人の肥満患者を対象にした調査で、4年間の体重の変化を追ったうえで、以下の3グループにわけたんですね。

 

  1. 体重が以前より5%減った人
  2. 体重が以前より5%増えた人
  3. 体重が変わらなかった人

 

で、驚いたことに、体重が減ったグループ(全体の15%)は、それ以外のグループにくらべて300%も鬱状態になる確率が高かった、と。偶然では片づけられない数値ですねぇ。ほかにも、体重が減ったグループは幸福度が低くなりがちだったそうで、この傾向はデータを調整したあとも変わらなかったみたい。

 

 

この理由を確定するのはかなり難しいんですが、研究者によれば、

 

人間の意志力には限界があるが、食べ物が豊富な環境で食べたいものをガマンするには、かなりの意志力が必要となる。その結果、人生の他の場面に悪影響をおよぼす可能性がある。

 

また、脂肪が減り始めると脂肪細胞にシグナルが送られ、食欲や飢餓感が増すことになる。これが、さらに減量を難しくする。

 

ダイエットは非常に心理的な負担をともなう行為であり、そのせいでメンタルヘルスを損なう可能性があるのだ。

 

とのこと。要は、ダイエットで貴重な意志力を使い果たしちゃって、他の楽しいことに回す余裕がなくなっちゃうんだ、と。

 

 

これはわかるなぁ。わたしも、いまでこそ体重計の数字や摂取カロリーを気にしなくなりましたが、かつてカロリーを気にして生活していたころは、毎日のストレスがすごくて、一気に老けこんだような気分になったもんです。

 

 

当然ながら、ダイエットに成功しても不幸になったら意味がないんで、減量時のストレスをできるだけ減らすのが超大事。その際は、過去に当ブログでご紹介した「できるだけ空腹に苦しまずにダイエットするためのガイドライン」や「痩せるホルモン「レプチン』を適切に調整するためのガイドライン」あたりが参考になるかと思います。

 

credit: Filimonas via FindCC


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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