体組成計の体脂肪率はどこまで精度が高いのか問題
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いまタニタの体組成計を使っているわたくし。正味なところ、市販の体組成計ってどれぐらいの精度で体脂肪率を計ってくれるのかなーと思って調べたら、2004年のおもしろい論文(1)が出てきました。
これは、27人のボディビルダーを対象にした実験でして、代表的な体組成の計測法の正確さについて調べたんですな。ここで調査された計測法は、以下の5つです。
- 4Cモデル:もっとも正しいけど、もっとも高価な計測法。
- DXA法:X線を使った方法で、精度は高いと言われている。
- 生体インピーダンス法:体に微弱の電流を流す方法。市販の体組成計で使われている。
- 水中体重法:陸上と水中の体重の差から体の密度を出す方法。かなり正確と言われている。
- キャリパー法:クリップ状の器具で脂肪をつまんで厚みを測る。
このなかで、一般的な体組成計に使われているのが、生体インピーダンス法であります。微弱電流を流して体内の水分量を調べる方法で、水分量の違いを体脂肪の変化と勘違いしちゃうのが欠点。ざっくり言えば、体が脱水状態のときは体脂肪は少なめに出るし、水分が満ちているときは体脂肪が多めに出ちゃうんですな。
もちろん、それでも近似値を出してくれるなら問題はないわけですが、実験の結果によりますと、なんと生体インピーダンス法がまさかの最下位。脂肪をつまむだけのキャリパー法にも負けちゃったどころか、単に身長と体重で計算するだけのBMI法にも勝てなかったというからビックリであります。
研究者いわく、
生体インピーダンス法は、BMIよりも幅広く使われている手法だ。しかし、そのエラー度は8%にも達しており、本当は体脂肪が4%減っているのに、体組成計は「体脂肪が4%増えた」と表示する可能性が十分にある。
とのこと。8%のエラーはデカい! にしても、BMIのほうが正確だってのは衝撃ですなぁ。体組成計の存在意義はいったいどこに…。
といっても、当面は他に手ごろな計測法もないようなんで、以前に「いまさら聞けない『体脂肪』超入門」でご紹介した、体脂肪と見た目の対応画像を参考にして、鏡で自分の腹筋などを見つつ体脂肪を推測するのがいいのかもしれません。
credit: zen via FindCC