インスタグラムの「いいね!」には、お金をもらうのと同じぐらい脳を興奮させる作用があるそうだ
ここ数年、SNSがメンタルに与える影響に関して、いろいろと不利な結果が出まくっております。SNSをやると落ち込みやすくなるとか、フェイスブックで幸福度が下がるとか、摂食障害のリスクが上がるとか。
で、新たに出た論文(1)では、さらにSNSユーザーの脳の状態まで調べていておもしろかったです。
これはUCLAの実験で、参加者は13〜18才の若者が32名。全員にインスタグラムの写真を見てもらいつつ、脳をMRIにかけてみたらしい。
その結果をざっくり言うと、
- 自分が投稿した写真に「いいね!」がついていると、脳の側坐核が一気に活性化する
- 他人が投稿した写真でも、「いいね!」が多ければ脳の側坐核が反応する
側坐核は脳の報酬系と呼ばれるエリアで、何かいいことがあるとドーパミンがドバドバ出るんですな。お金をもらったりチョコレートを食べたりしたときも側坐核が光りだすことがわかってまるんですが、どうやらSNSの評価にも似たような効果があるらしい。
おもしろいのは、写真の内容そのものと報酬系の興奮レベルには関係がないとこ。例えば、いたって平凡な「公園の写真」を見せられても、その画像に「いいね!」がたくさんついてれば脳は興奮しちゃうんだそうな。
この効果は、写真の投稿主が自分だろうが他人だろうがまったく同じ。つまり、いかに人間が他人の評価に弱いかってことでしょうな。なんせ、お金と同じように「いいね!」を欲してるわけですからね。
研究者いわく、
今回の実験では架空の画像を使ったが、それでも若者の脳は大きな影響を受けた。これが現実の世界なら、その効果はもっと大きくなり、彼らにとって重要な人間の「いいね!」にはさらなる影響力があると思われる。
とのこと。これだけ明確に脳にインパクトがあるんですから、「いいね!」やファボを求めてSNS廃人になっちゃう人がいるのも納得といいますか。
個人的にはSNSにほぼ近づかないようにしてますけど、同じ側坐核を興奮させたいなら、他人へ親切にして「ヘルパーズハイ」状態を起動させたほうが生産的でいいよなーと思う次第です。それでは。