脳の仕組みを学べば日常のストレスが18%も減る!
テキサス大学が「凄く効くストレス対処法を編み出したよ!」って論文(1)を出してまして、これがかなり参考になります。
脳は変えられる!ことを学ぶ
これは十代の学生205人を対象にしたもので、まずはそのうち半分の学生に、定期的に以下の3つの作業をやってもらったらしい。
1.最新の脳科学を学ぶ
現在の脳科学では、いくつになっても新しい経験で脳は変わることがわかっております(神経の可塑性みたいな話)。学生たちには、そのあたりについて書かれたテキストを読みまくってもらい、「人間の適応力のスゴさ」について学習してもらったみたい。
2.上級生が書いたエッセイを読む
続いて、年上の学生が「若い頃に味わったストレス」について書いたエッセイを読んでもらったそうな。具体的にはこんな感じ。
まだ新入生だったころ、ボクだけが友人のホームパーティに誘われない事件があった。たんにボクのことを忘れていただけかもしれないし、もしかしたらボクをのことを、呼ぶ価値がないダサいヤツだと思っていたのかもしれない。
でも、その時の感情がどれほど最悪でも、心の痛みは永遠に続くわけじゃなかった。ボクは学校の外に友達を作ることに決めて、スポーツクラブに参加した。そのうち状況は良くなったんだ。
どんなにヒドい状況でも、時が経てば必ず感情はおさまるし、状況を変えることも可能なんだってあたりが強調されております。
3.下級生へのアドバイスを書く
最後に学生たちが行ったのが、下級生へのアドバイスをエッセイにまとめること。自分がもっとも辛かった体験を思い出し、そんなときにどう対策を取ればいいかを、もっと下の学年に向けて書くように言われたんだそうな。
以上の作業を行ってもらったうえで、7カ月後に生徒たちの状況をチェックしたところ、
- ストレスの対処能力がアップ!
- ストレスホルモンが18%低下!
- 最終的な成績もアップ!
ってな違いが出たそうな。ストレスをやり過ごす能力があがったおかげで、成績にも影響が出たみたいですねー。
人間は変われる!という事実を知るのが大事
研究者いわく、
もし子供たちが、脳は変えられないと信じていたら、何をやる気も起きなくなるだろう。しかし、脳が柔軟に変わる事実を知れば、テストの成績も改善するのだ。
ただし、これは生徒たちの自信を高めるためのテクニックではない。彼らの考え方を変えることで、自然と自信が増えていくのだ。
とのこと。当ブログではおなじみな「成長マインドセット」とほぼ同じ話ですね。「人は変われる!」という事実を頭に叩き込むのが何よりも大事なんだ、という。
知識と感情の両面から「人間は変われる」という事実を叩き込む
ただ、この実験がおもしろいのは、成長マインドセットの育て方を、体系だったメソッドに仕立て上げたとこでしょうね。具体的には、
- まずは脳が変われるという事実を知る
- 実際に困難に立ち向かった人の話を読んで、感情面からも「人は変われる」という事実を頭に叩き込む
- 他人へのアドバイスを書くことで客観的な視点を持つ
といったあたりがポイントでしょうか。この実験は学生が対象ですが、もちろん私のようなアラフォー男にも十分に使えそうな話ですね。
ちなみに、手ごろに脳の可塑性について学びたければ「脳科学は人格を変えられるか? 」あたりがいいんじゃないかと。そのあとで、いまの自分に近い問題を解決した人の本などを読んでみるといいかも。