エッグパウダーで子供のアレルギーが予防できるかも?
卵アレルギー予防の世界に変化が
世界中で子供のアレルギーが増加している昨今。いったん子供がアレルギーになると、とりあえずアレルゲンの食品は食うな!(卵とか乳製品とかグルテンとか)みたいな処置がされて大変なわけです。
ところが近年では状況が変わってきまして、2010年の米国アレルギーガイドライン(1)では、「幼児には早めにピーナッツを与えたほうがいいよ!」ってアドバイスが加わったりとか。アレルギー研究の世界は変化が激しいっすねぇ。
ってところで、今度は卵アレルギーに関するナイスな論文(2)が出ておりました。
エッグパウダーを少しずつ増やす
これは国立成育医療センターの実験で、生後4〜5カ月の乳幼児121名を対象にしたもの。湿疹がヒドい赤ちゃんを選んで、2つのグループにわけたんですね。
- エッグパウダーを摂取
- プラセボ用のパウダーを摂取
実験期間は半年で、最初の3カ月はエッグパウダーを1日50mgからスタート。次の3カ月で1日125mgに増量していったそうな。それぞれ、卵でいうと0.2gと1.1g分ぐらいの量っすね。
エッグパウダーグループのアレルギー発生率がガッツリ低下
そのうえでアレルギー反応がどう変わったかをチェックしたうえで、血液の抗体なんかも調べたところ、
- プラシーボグループの43%が卵アレルギーを発症
- エッグパウダーグループは9%が卵アレルギーを発症
って感じ。非常にハッキリした差が出ましたねー。
実は以前にも似たような実験(3)はあったんですけど、今回のは2段階で少しずつアレルゲンを増やしたのと生卵より刺激が少ないエッグパウダーを使ったのが新味。そのおかげで、過去のデータよりもバッチリと効果が出ております。減感作療法みたいなもんで、やっぱ少しずつ慣らしていったほうがいいんすねぇ。
もっとも、これは医師がチェックしながら行った実験なんで、ご家庭で試すのはお待ちください。もう少し知見がたまって公式のガイドラインが変わるまでは、あくまで様子見がベターであります。
ちなみに、大人になっちゃうと食物アレルギーを治すのはムズいんで、地道にTレグを増やす作業を続けるのがよろしいかと。