痛み止めを飲んで体を壊す?「サリチル酸不耐症」入門
サリチル酸に弱い人がいる
そういえば「サリチル酸不耐症」について書いてなかったので、そのへんの話でも。
サリチル酸不耐症ってのは、その名のとおり「サリチル酸」でアレルギーみたいな症状が出ちゃう状態。ヒスタミンに弱い「ヒスタミン不耐症」とかグルテンに弱い「グルテン不耐症」と同じく、サリチル酸にやたら弱い人がいるんですな(1)。
これを知らないと、「理由がサッパリわからないけどダルい!」ってことになりかねないんで、押さえておくといいかも。
バファリンでアレルギー症状が?
サリチル酸はいろんな野菜や果物にふくまれる有機酸のひとつ。殺菌や鎮痛作用が高い成分でして、ニキビ薬とかアスピリンにも入ってたりします。なので、頭痛薬(バファリンとか)を飲んで体調を崩す人って意外と多かったりするんですよ。
具体的にどんな症状が出るかというと、
- 鼻水鼻づまり
- 喘息
- じんましん
- 熱
- むくみ
- 腹痛
- 下痢
などなど。アレルギーにそっくりな症状が出るんですね。とくに喘息持ちの方に多い現象でして(2)、サリチル酸系の痛み止めで異変が起きる人は注意しとくと吉。
まずはサリチル酸系の痛み止めを避けるのが吉
そんなわけで、心当たりがある方は、まずはサリチル酸系の痛み止めを避けるのが吉。食事から摂るサリチル酸は10〜200mgなのに対して(3)、痛み止めにふくまれるサリチル酸はだいたい300〜350mgぐらいなんで、量がまったく違うんですよね。
それでダメなら、「低サリチル酸」を心がけた食事をしてみるといいかも。いまのところ食事療法がサリチル酸不耐症に効くかどうかはハッキリしてないんですが(4)、とりあえず試す価値はありましょう。
サリチル酸の多い食品例
サリチル酸が多い食品は、こんな感じ。
▼野菜
- ブロッコリー
- ほうれん草
- キュウリ
- オクラ
- サツマイモ
- トマト缶、トマトペースト
- トウガラシ
- カブ
▼フルーツ
- ベリー類
- ブドウ
- オレンジ
- イチゴ
- パイナップル
- チェリー
- プルーン
- レーズン
▼種子類
- ピーナッツ
- ピスタチオ
- アーモンド
- 松の実
▼スパイス
- コショウ
- バジル
- タイム
- ミント
- ターメリック
- セージ
- ショウガ
- ナツメグ
- ローズマリー
- オレガノ
- パプリカ
- マスタード
- カレーパウダー
- シナモン
- カイエンペッパー
▼飲み物
- コーヒー
- オレンジジュース
- ワイン
- ビール
- ハーブティー
- シェリー酒
- ラム酒
というわけで、パレオダイエット的には良い食品がかなりふくまれております。特に注意すべきはスパイスで、グラムあたりのサリチル酸量はかなり多め。
低サリチル酸食の例
まずは、このへんの食品を減らした食事を2週間(できれば1か月)ほど続けてみて、体調の変化をチェックしてみるといいんじゃないでしょうか。食事の例としては、
- 朝:ヨーグルト、リンゴ
- 昼:レタスとニンジンのサラダ、鶏胸肉、チーズ、バナナ
- 夜:蒸し魚、レタスとアボカドのサラダ
って感じになりましょうか。低サリチル酸を意識しても、それなりにパレオ食は達成できるかと思います(メニューは超単調になるけど)。
まとめ
そんなわけで、知らないと損するサリチル酸不耐症の話でした。グルテン不耐症と同じく、まだよくわかってない症状ですが、サリチル酸系でダルくなった経験がある方は覚えとくと吉。
ただ、あまりにも症状がヒドいときは、花粉症と同じく減感作療法が効く可能性が示唆されてますんで(4)、お医者さんにご相談ください。