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醤油やヨーグルトで体調不良が起きる!? 恐怖の「ヒスタミン不耐症」に立ち向かうには?

Histamine

ヒスタミン不耐症に関するご質問をいただきました。

以前の記事を読んでもしやと思って調べてみたところ、自分が「ヒスタミン不耐症」だったことがわかりました。加工肉と醸造酒に弱い体質のようです。他にもほうれん草のような野菜にも弱いようで、なかなかパレオダイエットを実践できません。なにか良い対策はないでしょうか?

とのこと。軽くおさらいしますと、ヒスタミンはアレルギー症状を引き起こす化学物質。体内で作られるほか、赤身魚や醤油、野菜などにもふくまれてまして、ヒスタミンに弱い「不耐症」の人が食べるとさまざまな不調が起きるんですね。


ヒスタミンが多い食品は「その体調不良は『ヒスタミン不耐症』かも?」に書きましたが、かなりの広範囲にわたっております。ガチで除去食に取り組もうと思ったら、まともにパレオダイエットもできないレベル。


というわけで、まずはヒスタミン不耐症が起きる原因を見てみましょう。ざっくり言いますと、

  • 必要な酵素が足りない:ヒスタミンの分解に必要な酵素が足りないケース。これは遺伝による面が大きいので、なかなか対策は難しい。
  • ヒスタミンの生産量が異常:体内でヒスタミンを作り出す肥満細胞が暴走しちゃってる状態。「肥満細胞活性化症候群」と呼ばれてまして(1)、これまた対策は困難であります。
  • 腸内細菌のバランス崩壊:腸内細菌には、ヒスタミンを生み出すタイプとヒスタミンを分解するタイプの2種類がありまして、

といった感じ。つまり、ヒスタミン不耐症は体質が原因なケースが多いので、根本的な対策は「腸内環境の改善」しかないわけです。




といってもヒスタミン不耐症は発酵食品に弱いので、お通じ対策の定番である納豆やヨーグルトが使えないのが難しいところ。そのうえで対策のガイドラインを挙げていきますと、

  • とりあえず禁酒は基本:アルコールはヒスタミンの分解酵素をジャマするんで、まずは禁酒が基本中の基本。もちろん醸造酒以外もNGです。酒好きには辛い話ですが、涙を飲んで実践していただきたいところ。
  • 乳酸菌系の食品やサプリは避ける:乳酸菌はヒスタミンを作り出す能力があるので、ヨーグルトやヤクルトのような乳酸菌系食品は使わない。もちろん乳酸菌系のサプリ(ラクトバチルス)もNGであります。
  • レジスタントスターチをとる:ヒスタミン不耐症でも安心して飲めるのがレジスタントスターチ。ヒトの体で分解できない食物繊維の一種で、有用な腸内細菌のエサになってくれちゃう。わたしも何週間か試して効果を実感しております。サプリの他にも、冷やした白米を食べるのもアリ。
  • ビタミンCをとる:ビタミンCには肥満細胞の活性化を抑える作用があったりします(2)。ビタミンCの摂取で症状が軽くなった場合は、肥満細胞が原因かも。
  • ケルセチンをとる:ケルセチンはタマネギなどに多くふくまれる成分。こちらもヒスタミンの放出を抑える効果が認められております(3)。サプリでとるのもありでしょう。
  • イラクサをとる:イラクサは昔からヒスタミン対策として定番のハーブ(4)。ネトルって名前でサプリが販売されております。
  • EGCGをとる:EGCGは緑茶から抽出したカテキンの一種。当ブログでは脂肪燃焼系のサプリとして紹介しましたけど、肥満細胞の活性化をふせぐ働きも持っております。

といったところ。なかなか根本治療は難しいのですが、まずは腸内環境の改善に集中して取り組んでいただければと思います。







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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。