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ガムすごい。ストレスがかなり減る、という話

Gum

 

 ガムのストレス解消効果が意外と凄そう

当ブログでは、科学的に効果がありそうな「ストレス対策について、いろいろ書いております。

 

 

といっても、すべてのデータの信頼度が高いわけでもないんで、なかには「まだどこまで効くかはよくわからんなぁ」ってのも多いのが残念なところ。もう少しデータが多くて手軽なものはないかなーと思ってたら、「ガムってありだな…」って気になってきました。もちろんチューインガムのガムっすね。

 

 

で、ガムの研究がどれぐらい進んでるかというと、「そこそこ」です。メタ分析とかはないんだけど、「ガムがストレス解消になるよ!」と言ってる小規模な実験なら割とある感じ。

 

 

というわけで、ざっくりガムの効果を並べてみます。

 



 

ガムで得られる脳力アップ効果いろいろ

1.どうもストレスが減るっぽい

まず2011年に東京医科歯科大学がやった実験(1)では、26人の男女に1日2回ずつ2週間ほどガムを噛み続けてもらったそうな。そのあとで、定番のストレス度テストをやってもらったら、何もしなかったグループにくらべて、

 

  • 不安が低い
  • 精神疲労も少ない
  • 心の焦りも低い

 

みたいな傾向が出たらしい(ただしガムを止めると4週間目で元に戻る)。1日2回のガムでいいなら14日ぐらいは楽に続きそうっすね。

 

 

もうひとつ、スウィンバーン工科大学の実験(2)だと、40人の男女にマルチタスク作業を命じてストレスを与えつつ、ガムを噛むように指示したらしい。でもって、上の実験と同じようなテストをしたところ、不安が減ったのはもちろんのこと、

 

 

って効果も出たみたい。上の研究だと14日時点の不安を測ってますが、このデータによればガムを噛んですぐに効果が出るっぽい。いいですねー。

 

 

.頭も良くなったりするかも

上記にもちょっと出てますが、ガムには「集中力も上がるんじゃない?」って結果も出てたりします。たとえば、

 

  • 鹿児島大学の研究だと、ガムを噛んだ参加者をEEGで測ったら集中系の脳波が増えていた(2000年,3)
 
  • 133人を対象にしたカーディフ大学実験では、ガムを噛んだ参加者は記憶力が上がり、注意力の維持が上手くなり、判断の正確性も上がった(2000年,4)
 
  • 159人の学生を対象にしたセント・ローレンス大学実験では、全員に高難度の認知テスト(ランダムに言われた数字を記憶して逆に暗唱するとか、激しく入り組んだ論理パズルとか)を指示。と同時にガムを噛んでもらったら、ほぼ全てのテストで、ガムを噛んだグループの成績が上回った(2011年,5)

 

といった感じで、どれもなかなか面白いんですな。まぁ一部の実験では相反する結果も出てたりするものの、いまのところ「ガムは脳にいい!」ってデータの方が優勢ですね。

 

 

まとめ

でもって、さらにいろんなデータを見てますと、

 

  • ガムの味は効果に関係がないみたい(無味のガムを噛んだだけでも効果が出ている)
  • 砂糖が入ってるかどうかも関係がない(シュガーレスでも効果が出ている)
  • ただし、ガムの効果がどこまで続くかはよくわからない(1時間以内の短期的な効果しかない可能性も高い)

 

といったところです。とにかく、なんでもいいので口の中でクチャクチャやれれば、ストレスが減って短期的に脳力も上がるみたいなんですよね。

 

 

ちなみに、なんでガムが脳に効くのかも謎で、研究者によって「ガムが脳の報酬になるから?」とか「心拍数が上がるから?」とか諸説入り乱れております。個人的には、普通に「アゴを動かすからでは?」と思うわけですが、何もわからんというのが正直なところですねぇ。

 

 

が、いずれにせよガムの機能性はほぼ疑いなさげですんで、超お手軽に短時間で効果が出るストレス対策として、手持ちのツールに加えとくといいかもしれません。どうぞよしなに。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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