「から揚げが食べたい!」を解決するためのマインドフルネス技法
デブの原因である「渇望」にどう立ち向かうか?
「〇〇が食べたい!」って欲求はダイエットの大敵。ただしダイエット研究の世界では、ただの食欲も区別して考えることが多くて、
- 空腹=普通にカロリーが足りないせいで起こる食欲
- 渇望=から揚げやケーキなど、特定の食品を口にしないと満足できない欲望
の2パターンに大きく分別しております。普通の空腹なら食事をすればおさまるんですけど、「渇望」は脳が暴走しちゃった状態なんで肥満の大きな原因になりがちなんですな。
つまり、ダイエットを効率よく進めるには、なにはともあれ「渇望」を取り除くのが大事。……なんだけど、経済学者も言うとおり「意志の力で渇望に勝つのは不可能」なんで、いろいろと対策を練る必要があるわけです。
マインドフルネスと食欲の関係をくわしくチェック
ってところで、新しい論文(1)は、「マインドフルネスで渇望に勝てるぞ!」って内容になっててナイスでした。「マインドフルネス?なにそれ?」という方は、「サルでもわかる「マインドフルネス」入門」などをどーぞ。
これはロンドン大学の研究で、過去に行われた「マインドフルネスと食欲」に関する実験から、質が高い30件を選んでまとめたレビュー論文になっております。なのでメタ分析とかはやってませんが、それなりに参考になるんじゃないかと。
マインドフルネスで脳の処理能力をハックすれば食欲は減る
で、わりと長いレビューなんで、いきなり要点を引用しますと、
多くの研究は、マインドフルネスをベースにした手法が、食事への渇望を防ぐか、または妨げる可能性を示している。これは、食事への渇望を増幅させる精神の機能が、マインドフルネスによって占領されるのが原因だ。
みたいな感じです。やや難しい言い回しになってますが、要するに、
- マインドフルネスは、から揚げやケーキなどへの渇望を減らす効果がある
- その効果は、おもにワーキングメモリが占領されるのが原因である
ってことですね。ワーキングメモリは短期的に記憶を保存する脳の機能で、こいつをマインドフルネスが一時的に占拠しちゃうことで、激しい渇望から目をそらせるようになるわけっすね。具体的には、
- から揚げを見ると、ワーキングメモリがから揚げでいっぱいになる
- そこへマインドフルネスで一時的にワーキングメモリの処理能力を奪う
- から揚げに回すだけの脳のリソースが無くなる
- 激しい渇望が消える!
みたいな流れだとお考えください。2014年には「テトリスで激しい食欲が減る」って論文が出たんですけど、これも同じような仕組みですね。
ただし、マインドフルネスのテクニックが、ビジュアルイメージングのような他のテクニックよりも有効なのかはまだわからない。とはいえ、定期的にマインドフルネスのトレーニングを行うことにより、私たちの食事への渇望が減らせるとの証拠はいくつか存在している。
だそうで、マインドフルネスが他のテクニックより優れているかはわからないものの、激しい食欲にお悩みの方は試してもいいのではないかと。
から揚げに立ち向かうにはどんなマインドフルネスを使うべきか
それでは、具体的にどんなテクニックを使うのがいいかというと、
マインドフルネスを使った介入には、さまざまなテクニックが用いられる。たとえば、体の感覚に意識を向けたり、不快な感情を受け入れるように指示されたり、思考と感情を切り離すように指導されることもある。
とのこと。要するにワーキングメモリを一時的に占拠できれば、どんなテクニックを使ってもいいみたい。
ってことなんで、過去に当ブログで紹介したところでは、
なんかが役にたつかもしれません。「つい高カロリーなものを食べてしまう!」という方は、どうぞお試しください。